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プロジェクトマネージャーとしてのリーダーシップを築くための5つの鍵


リーダーは、自分というブランドを確立し、ビジョンを抱き、自分のチームを知り、決断を下し、徹底的にコミュニケーションを図ることが大切です。本稿では、プロジェクトマネジャーに求められるリーダーとしての資質について解説します。

はじめに

 ソフトウェアやアプリケーション開発プロジェクトのプロジェクトマネージャーとは何かと考えたとき、鮮明なイメージとして心に思い浮かぶのはオーケストラの指揮者です。指揮者は自分では楽器を演奏しませんが、オーケストラを構成し、準備を整え、リハーサルを実施し、解釈上の決定を下します。

 そしてその決定事項は、リハーサル中には口頭で、また、本番では動きやジェスチャーや表情によって伝達されます。優れた指揮者は、作品の雰囲気を定めて、それが表現されるように導きます。本番は、指揮者、作曲者、演奏者の共演であり、そこに人々の心を惹きつける芸術性が生まれるのです。

 オーケストラの指揮者とそのタクトは、目標達成に向けて力を合わせるチームをまとめるリーダーシップの象徴です。チームはリーダーを尊敬し、その指示に従い、リーダーがそこにいて明確な目標に向かって統率してくれることに安心感を抱きます。そこにリーダーとそれに従うチームの間の関係が築き上げられます。

 人々はリーダーを求めます。そしてリーダーの下には、その人が求めるタイプの人材が集まります。両者を互いに結びつける要因、つまり集団が1人の人物にリーダーシップという責任を与えるにあたって必要なものは、「このリーダーは目的や目標の達成に向けてチームを動かし導くことのできる人物だ」という共通のビジョンと信頼です。リーダーの価値観(倫理、信条、人格)、知識、個人的な能力やスキル、そしてチームとの公平な関係を構築する能力が、この関係の形成に影響を与える要因となります。

 プロジェクトマネージャーは、範囲、予算、リソースという3つの制約内でプロジェクトの完了に向けてチームを指揮するという責任を負います。プロジェクトマネージャーは、これらの制約を直接変更する権限はない状態で、プロジェクトを成功させなければなりません。プロジェクトマネージャーの任務としては以下のようなものがあります。

  • ステークホルダーやチームの期待に影響を与え、それを制御し、管理する。
  • 範囲、スケジュール、リソース、予算を管理する。
  • 進捗や問題点を追跡する。
  • リスクを特定し緩和する。
  • プロジェクトの状態を事実に基づいて客観的に判断し、伝達する。
  • 優れたプロジェクトプロセスや手法を利用する。
  • 世界中に分散し、さまざまな時間帯にまたがるグローバルなマトリックスチームとともに作業する。
  • 目標達成に向けたプロジェクトの勢いを維持するために、必要に応じて動機付けをし、激励することにより、チームの士気を高める。
  • もめごとが起きた場合は、それを解決する。

 上記のような任務を遂行するプロジェクトマネージャーは、普通の人以上に感情をコントロールできる人物でなければなりません。不測の事態に備え、基本的な計画を立て直すことができるように、先見の明を持ち、前もって予測することが、この役割の専門的能力として求められます。

 つまり組織および個人の効率を強く意識しつつ、点と点をつなぐだけでなく、その思考を統合することができなければなりません。プロジェクトに関連する知識が豊富であれば、自身が率いるチームに対してこれを実施し、多大な価値を与えることができるでしょう。

 このようにプロジェクトマネージャーに求められる素質は複雑であるため、プロジェクトマネージャーは優れたリーダーでなければならないことがわかります。プロジェクト管理における主な任務を把握したところで、次に「リーダーシップの構築」のために必要となる以下の5つの主な要素を順に見ていきましょう。

  1. 良い結果を得るために、自分という確固たるブランドを確立する。
  2. ビジョンを構築する。
  3. 自分のチームを知る。
  4. 情報や事実に基づいて決断する。
  5. 効果的なコミュニケーションを図る。

次のページ
良い結果を得るために、自分という確固たるブランドを確立する

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この記事の著者

Alpana Prabhu()

さまざまなビジネス分野にまたがるプロジェクトおよびプログラム管理スキルを駆使して、ビジネスと技術の橋渡しを行っている。現在は20年近くにわたる業務経験を生かして、SymantecのGlobal Channel OfficeにおいてGlobal Partner Infrastructureを担当するデ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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