前回まで、アサーティブの基本について紹介してきました。今回は、タイプ別のコミュニケーションのクセを紹介しながら、アサーティブな「断り方」について、解説していきましょう。
- 水野くん
入社半年、いつも一生懸命な新人エンジニア。
- 吉野さん
技術面はうといが経験豊富なシステム営業マン。
- 木下さん
42歳のマイペースで経験豊富なエンジニア。
あなたのコミュニケーションタイプは?
人はみな、それぞれコミュニケーションのスタイルを持っています。無意識のうちにとっている態度、よく使っている言葉などから、次の3つに分類することができます。
アグレッシブ(攻撃的)
自分が大切。相手を言い負かして自分の言い分を通そうとするタイプです。断定的・威圧的・ネガティブ表現が多いことが特徴です。
パッシブ(受身的)
自分よりも相手のほうが大切で、人に決めてもらうことが多く、自分の意見を手放してしまうことが多いタイプです。一方で、素直になれず、ときに陰湿な振る舞いに及ぶこともあり、曖昧・謝罪の言葉が多いことが特徴です。
アサーティブ(積極的)
自分も相手も大切。相手が目上でも目下でも態度や姿勢が変わらないというタイプです。話の筋がとおっていてわかりやすい・ポジティブ表現が多いのが特徴です。

「私はパッシブかな」「オレはアグレッシブかも」と、スパっとタイプ分けできる人もありますが、実際には、「アグレッシブときどきパッシブ」といったように、相手や状況により表れる特徴が異なる人が多いようです。
アグレッシブは、一時的には相手に対し優位に立つこともできるのですが、長い目で見ると良い関係性をつくることができません。また、パッシブは、必要以上に頭を下げ、遠慮などから相手を立てようとするので、ナメられることも多く、やはり良い関係性をつくるには難しいのです。
それではケースを参考に、自分も相手も大切にするアサーティブな伝え方を見ていきましょう。
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- この記事の著者
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吉田 珠江(ヨシダ タマエ)
イオン株式会社で各種コミュニケーション研修、人事制度の企画運用を歴任後、コンサルティング会社でセミナー講師などを経て、独立。現在、ダイバーシティ・ラボ所長。著書に「開発現場のストレスを減らすアサーティブ会話術」(翔泳社)がある。E-mail:pearl_@gaia.eonet.ne.jp
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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