アサーティブネス9つの権利
アサーティブネスとはアメリカで生まれた概念で、アサーティブネス(Assertiveness)は、直訳すると自分の意見をはっきり主張することになります。アサーティブコミュニケーションとは、「他人の権利を尊重しながら、自分の権利を守る」ことを基本にし、自分を無理なく表現するためのコミュニケーション能力を言います。
「権利」という言葉が日本で暮らす私たちに馴染まないようであれば、「○○してもよい」と読み換えると、受け入れやすいのではないでしょうか。アサーティブネス研究会が定義している9つの権利をここでご紹介しましょう。
- 第一の権利
自分の感情と意見を持ち、それを表明する権利
- 第二の権利
自分の意見を主張しないでいる権利
- 第三の権利
尊重され、面目を保つ権利
- 第四の権利
自分の話に耳を傾けてもらう権利
- 第五の権利
自分の価値観を大切にする権利
- 第六の権利
「 NO」という権利
- 第七の権利
欲しいものを望む権利
- 第八の権利
自分の時間や身体、所有物をどうするか決める権利
- 第九の権利
失敗する権利とそれに責任をもつ権利
システム開発の職場に目を向けると、6つ目の“「No」という権利”、7つ目の“欲しいものを望む権利”を表明することを苦手だと感じ、避けているエンジニアが多いように筆者は感じます。
すばらしい技術力がある一方で、顧客をはじめ上司や先輩、ときには後輩にまで遠慮してしまい、自分の意見を飲み込んでしまう。あるいは、周囲の人と協力して進めるほうがプロジェクトがうまくいくとわかっているのに、素直に頼めずひとりで仕事を抱え込んでいる……。
ノン・アサーティブでいるばかりに、しなくてもよい苦労を背負い込んでしまい、損をしているエンジニアは数多く見られます。アサーティブなコミュニケーションスキルを身につけ、ラクに楽しく仕事を進める術を、一緒に考えていきましょう。