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自炊代行サービスは違法か?-きわめて複雑な「著作権」の基本の基本を学ぶ(2)

  2013/06/05 07:00

今回は、前回の続きとして著作権の権利制限という重要な規定について解説しよう。自炊代行サービスは違法なのか、違法ダウンロード刑事罰化はどのような経緯で生まれたのか、などの論点を考える上できわめて重要だ。

著作権の制限規定とは

 著作権制度の大原則ルールは、著作権者が複製・上演・公衆送信等々に関する権利を専有すること。つまり、他人は著作権者の許諾(ライセンス)を受けなければその著作物の複製・上演・公衆送信等々をできないということだ。

 しかし、このルールを常に守らなければならないということになると相当の不自由が生じるし、文化の発展という著作権法の目的にもそぐわない。そこで、著作権法では一定の条件下で著作権を制限する(利用者の立場から見れば著作物の利用をしやすくする)規定が設けられている。

 ここでは、一般市民の生活に最も影響が大きいと思われる「私的使用目的複製」に関する規定について見ていこう。

私的使用目的複製とは

 私的使用目的複製とは「個人的または家庭内での使用」を目的とした複製(コピー)を権利者の許諾がなくても許可するという規定だ。この規定があるからこそ、テレビ番組を録画して後で見たり、CDをiPodにリップして聴いたりすることが権利者の許諾なしにできるわけだ。

 なお、言うまでもないが、最初は自分で使うつもりで複製しても、そのコンテンツをネットで公開したり、DVDに焼いて他人に配布(有償・無償を問わない)すれば、それはすでに「私的使用目的」とは言えないので、複製権の侵害になる。

 また、営利目的であれば「私的使用」とは言えないので、厳密に言えば会社の業務上で新聞や書籍等をコピーすることは複製権の侵害になる可能性がある。このような行為は現実には誰もが行なっているが「大目に見られている」状況だ。

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著者プロフィール

  • 栗原 潔(クリハラ キヨシ)

    株式会社テックバイザージェイピー 代表、金沢工業大学虎ノ門大学院客員教授 日本アイ・ビー・エム、ガートナージャパンを経て2005年6月より独立。東京大学工学部卒業、米MIT計算機科学科修士課程修了。弁理士、技術士(情報工学)。主な訳書にヘンリー・チェスブロウ『オープンビジネスモデル』、ドン・タプス...

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