日本IBMは、オフィスを“同グループが目指す姿を実現する一つの手段”として捉えており、グローバルなオフィス戦略とも連携しながら、ステークホルダーに求められる形で変革を続けています。昨今のデジタル変革やコロナ禍での環境変化を踏まえて、真に求められる社員の働き方を改めてデザインし、フレキシブルなワークスタイルを目指しているそうです。新本社には、これらを実現するための様々な工夫が施されていました。
オフィス内で特に印象的だったのが、IBMの「アイ」を「Eye」、「ビー」を「Bee」で表現したロゴデザイン。こうしたロゴがオフィス内の様々な場所で見られました。このような演出によって、見た人が少しリラックスできたり、会話の材料になったりと、コミュニケーションが生まれやすい空間となっています。
IBMと言えば汎用機のイメージが強いことから、「IBM Z」の模型が飾られているスペースも。この他にも、昔販売していた古い機械が展示されていました。顧客の中にはこうした昔の機器に馴染みのある人も多いことから、おもてなしの一つとしてこうした機械や模型を設置しているそうです。
仕事の合間に休憩できるようなカフェスペースも完備。来社した人が自由に楽しめる飲み物や茶菓子が用意されていました。こうした空間からも、社員以外の顧客やステークホルダーにも気軽にオフィスを使ってもらいたいという思いが見て取れます。
作業スペースは、役員含め全社員がフリーアドレス形式。コミュニケーションを活性化すべく、役職などの垣根を越えてオープンに語りやすい空間となっていました。
また、幼児を連れた人が授乳できる「PARENT'S ROOM」を完備。ミルクを保管できる冷蔵庫も設置予定だそうです。
オフィス全体を通して、コミュニケーションの活発化を主な目的として設計された場所や、個人作業に集中するためのスペースなど、用途に応じて部屋やスペースが用意されていました。とはいえ、それぞれの空間を完全に区切るのではなく、透けるカーテンでつながりを意識できる空間づくりも見て取れました。
今回の新本社開設にともない、これまで本社として利用してきた箱崎事務所は元の25から10にフロアを減らしつつ、利用を継続するとのこと。これで、同社の東京における拠点は丸の内オフィスを含めて全3ヵ所となりました。日本IBMはこの新本社を通じて、各事業所への出社とリモートワークを組み合わせ、柔軟な働き方を社員に提供していくと言います。新本社から今後どのような新しいイノベーションが生まれるのか、期待が高まります。