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#2 第2回『体験がなければ表現はない』

  2010/11/15 12:20

吾輩はエバンジェリストである。担当製品はない。担当する技術もない。先日は、マイクロソフトが発表した新しいスマートフォンであるWindows Phone7を紹介するチャンスがあった。とても期待の製品である。

Windows Phone7がやってくる!

 Windows Phone7―iPhoneやAndroidが勢いを増す中での期待の新星であり、最高のテクノロジーと最新機能が満載の端末である。

 …などというありきたりな言葉だけでは、Windows Phone7の素晴らしさを伝えることはできない。新しいユーザーインタフェースに「タイル」が採用されたなどと言葉を追加してみてもどこかもの足りない。

Windows Phone7との蜜月がはじまる…

 こんなときは、言葉では伝えきれない感動を伝えるべく、優美なデモンストレーションを行うのがエバンジェリスト流のやり方だ。

 Windows Phone7の場合、PCに接続されたSBカメラで実機の様子を映し、実際の使い心地を伝えるのである。こうすることによって、タッチの滑らかさ、動きの滑らかさ、画面のスムーズさのすべてを、わずか指一本で表現することができる。

 もちろん、いきなりその場で使えと言われてもすぐに使いこなせるわけではない。エバンジェリストは製品に慣れて慣れ過ぎるということはない。オーディエンスを前にしたデモンストレーションの裏には、地道な練習の日々があるのである。

 もっともきれいに見せる角度、もっともきれいに見える指の動き、もっとも美しく見える指先…ストイックな訓練だけが円熟を生む。とはいえ、少しでもWindows Phone7の滑らかなタッチ操作を引き立てることができればと願うあまり、右人差し指だけでもいいから、ネイルアートを施そうかとまで思いつめたこともある。幸いなことにいまだ思いとどまってはいるが。

 こうしたデモンストレーションの際には、Windows Phone7がいかに優れた製品であるかを説明することも重要だが、優れているかどうかを決めるのはユーザー自身である。ユーザーが最終的に判断をし、市場が形成されるのである。

Windows Phone7だけを可愛がっているわけではない

 かようにユーザーセントリックな昨今において、吾輩はWindows Phone7を見せるときには、iPhoneも一緒に並べることにしている。それだけではない。必要とあらば、iPadやAndroid、Kindleだって並べる。

 それぞれの見た目の違い、ふれてみた感覚の違い、使ってみた最初の感想、使い慣れてきてからの感想、電源が切れた時と充電をするときの感想などあらゆる体験をもとに、比較をしてそれぞれの良さを説明する。

 エバンジェリストは、競合製品の悪いところや、競合会社の悪いところを表現するのではなく、違いを表現する。表現しなければならないポイントは「何が違うか」「何が一緒なのか」といった切り口であり、その良しあしは、あくまで受け手が決めることなのである。


著者プロフィール

  • 西脇 資哲(ニシワキ モトアキ)

    マイクロソフト株式会社 テクニカル・ソリューション・エバンジェリスト。   IT業界屈指のカリスマプレゼンター/デモンストレーター。 日本オラクルで10年以上製品のマーケティングを担当。基本的にインターネット関連製品に軸足を置いている。パッケージソフトウェア開発経験、ISP起業経験あり。 特技は弁当解説。趣味はカレー。 日々のつぶやきはこちら https://twitter.com/waki

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