米国では新スタンダード、ウェブルートの「セキュアエニウェア」
日本では有名なセキュリティソフトを押しのけ、米国のベンチマーク調査*で個人向け、法人向けの両部門で第1位に輝いた「ウェブルート」をご存知だろうか。日本での知名度はまだ十分とはいえないものの、米国では既にセキュリティ製品市場の注目株。その理由はクラウド型なので、従来のアンチウイルスの重さから脱却できる点にあるようだ。
ウェブルートはこれまで個人消費者を対象にしたセキュリティソフトを中心に事業を展開してきた。2年前に発表された「セキュアエニウェア」は多くのユーザーに受け入れられ、2013年4月には米国で37.5%というトップシェアを獲得している。Amazonでも5段階評価中4.6の高評価を獲得し、2013年7月現在で昨年比136%と売上も絶好調だ。
そして、個人向け以上に注目を集めているのが、ビジネスエンタープライズ向けの製品「ウェブルート セキュアエニウェア エンドポイントプロテクション」である。
ウェブルート株式会社 代表取締役社長の伊藤誉三氏によると「2013年の売上は昨対173%、中でもSMB(中堅中小企業)向けで昨対200%、対象となるエンドポイントは昨対315%と売上が伸びている」という。まさに急成長するSaaS企業の中でも最も成長著しい企業の1つといえるだろう。
こうしたウェブルートの躍進の原動力となっているのが、フルクラウドの「エンドポイント・セキュリティ」という新しいアーキテクチャだ。
以前から端末のセキュリティ対策が必要であることは指摘されてきたが、特に「エンドポイント・セキュリティ」の重要性は高まるばかりである。ウイルスや大量のパケットをネットワークに送りつける「いやがらせ型」に加え、端末をターゲットに個人情報などお金になる情報をこっそりと盗み出す「実益型」が急増するなど、攻撃の形態が大きく変化している。ネットワーク以外にもUSBやモバイルなどからの感染も報告されており、外部との接点をゲートウェイで守るだけではなく、一台一台の「エンドポイント・セキュリティ」が欠かせない。
しかし、攻撃手法の複雑化によって、製品には多彩な機能が求められるようになった。結果、使用リソースが大きく膨らみ、インストールなどに手間や時間がかかるだけでなく、機能干渉やコンピュータへの負荷増大など、様々な問題が生じている。さらに企業においては膨大なエンドポイントの管理に対する負担も大きい。つまり、多くのユーザーにとって、そして管理者にとって、セキュリティ対策ソフトは「なくてはならない、だけど面倒くさい存在」になっていたのである。
ウェブルートの「セキュアエニウェア」は、この問題に取り組んだことで受け入れられたようだ。