未知の脅威にも備えた最新の定義データ
ウェブルートの『セキュアエニウェア』は、クライアント側にエージェントと呼ばれる実行機能のみをインストールし、ウイルス定義などの情報はすべてクラウドに置かれている。そのため、インストールに必要なディスク容量はシマンテックの141分の1、初期スキャンの使用メモリはマカフィーの19分の1とたいへん『軽い』のが特長だ。
また、インストールはカスペルスキーの53倍以上、初期スキャンの速度はマカフィーの3倍以上と「速さ」においても高い優位性を誇る。たとえば日本では一般的なソフトではパターンマッチングが採用されており、すべての行動を見るためスキャンに膨大な時間を要する。一方「セキュアエニウェア」はハッシュ値でファイルの性格を判断することで時間の短縮化が可能になる。こうした『軽さと速さ』によって、セキュリティソフトに割く手間や時間を大幅に削減し、ユーザーはストレスから解消され、機能干渉やコンピュータへの負荷などを考慮する必要がなくなるというわけだ。
そして、なにより「ウイルスの検知能力の高さ」は最も大きなメリットだろう。通常ウイルス定義というと「ブラックリスト=ウイルスである定義」を指す。しかし「セキュアエニウェア」は「ホワイトリスト=安全である定義」も併せ持ち、マルウエアのデータやふるまいに関する行動分析のデータベース、リンク先のURLやIPのデータベースなど、様々なデータに照らし合わせながら総合的に判別を行なう。
伊藤氏が「『セキュアエニウェア』ならではの大きな特長の1つ」と語るのが、「判別不能で“グレー”とされた際の対応」だ。「通常は“ブラック”でなければ弾かれません。しかし「セキュアエニウェア」では、“グレー”と判定されたものを24時間監視して追跡し、調査を行います。その間に世界のどこかでトラブルが生じれば、追跡情報をもとに立ち戻ってリカバリーし、すぐさまクラウド上で定義に反映させる仕組みになっています」
既存のシグネチャファイル型のセキュリティソフトでは、こうした新しい情報を常に一台一台のエンドポイントにアップデートしていくことは難しい。ユーザーが更新を怠ったり、外出していたりすれば、管理者が徹底させるのは至難の業と言えるだろう。また、トラブルが起きて初めてパターンファイルに登録されるため、「未知の脅威」に備えることもできない。
「フルクラウド型の『セキュアエニウェア』なら、そうした『未知の脅威』にも対応でき、一般ユーザーや企業、そして提携しているアプライアンスベンダーなどからのフィードバックによって、脅威分析基盤『Webroot Intelligence Network』に集められ、リアルタイムに近い状態で情報を更新できます。しかもクラウドで共有できるため、管理者は更新管理する必要もありません」と、伊藤氏は胸を張る。
つまり、ユーザーは外出先でもネットワークにつながりさえすれば、常に最大の「脅威に関するビッグデータ」を活用できる。それも世界5拠点で運用されているウェブルートのクラウドデータセンターで鮮度保持された最新のもの。もちろんオフラインでもオフラインシールドがウイルスやスパイウェアから守られ、まさに「どこでも=エニウェア」最新のセキュリティ対策が可能になるというわけだ。
伊藤氏は「心理的なスイッチコストはあるかもしれない」と前置きしつつも、「米国で実績もあり、比較すれば優位性は明らか。クラウドへの移行は市場全体の流れでもあり、日本でも時間の問題と考えています。『セキュアエニウェア』の価値を理解し、顧客へと提供したいと考えるパートナーとともに日本市場への浸透を図っていきたいですね」と意気込みを語る。
干渉がきわめて少ないことや手頃な価格であることなど、複雑なシステムを擁する企業にとっても導入しやすいことも大きな強みだ。Windows XPに関するサポートが5年間保証されていることも人によっては朗報だろう。現在使っている「重くて面倒なセキュティソフト」にうんざりしている方は試してみてはいかがだろうか。