チェック/推敲、上司報告、長期保管、顧客提出等のためのプリントは残ると予測
発表によると、デジタルネイティブ世代は、社内チャット等のネットワーク経由のソーシャルコミュニケーションを重視する傾向があること、ワークスタイル変革を志向する傾向が強いことがわかった。例えば、社内チャットを利用する20代前半女性が23.0%であるのに比べて、35歳以上世代では10.3%だった。
また家で仕事するワークスタイルを志向する20代前半女性は37.0%、20代後半女性は40.0%、30代前半女性は38.0%だったのに対し、上の世代の男女では24.4%だった。そして、こうしたネットワーク経由のソーシャルコミュニケーションを重視する傾向やワースタイル変革を志向する傾向が強いほど、業務上の平均プリント量も少ない傾向が見られた。
また、10年後のプリントについては、デジタルネイティブ世代のほとんどが「頻度が減る」と回答している。例えば、現在「やや/かなり/頻繁」にプリントすると回答した20代前半男性が62.0%であるのに対して、10年後の予測の回答では30.0%に減少している。同様に、30代前半女性も75.0%から38.0%と大きく減少している。
10年後もプリントする理由として、世代を超えた多くの回答者が挙げているのが、文書チェック/推敲、上司への報告、文書の長期保管、そして顧客への提案書等提出だった。一方、現在21.2%の回答者がプリントする理由として挙げている「社内ワークフロー」は、10年後は12.2%となっている。
デジタルネイティブ世代が社会の中心となる頃にはプリントのニーズが大きく変化
今回の調査では、デジタルネイティブ世代のプライベートでのプリントについても分析を行った。例えば、20代後半女性のプリント内容で多いのは、ウェブページ、年賀状、写真、そしてクーポンだった。20代前半男性は、ウェブページ、写真、年賀状が主なプリント内容になる。また、デジタルネイティブ世代には年賀状を全く出さない層が多い(20代前半男女で44.3%、20代後半男女で39.2%)一方、来年以降は年賀状送付枚数が増えるとする回答者も一定以上存在している(20代前半では20.5%)。
今回の調査で、デジタルネイティブ世代の業務におけるプリントに対する考え方、そしてプライベートにおけるプリント傾向が明らかになった。今後、彼らが社会の中心となる頃には、プリントに対するニーズも大きく変化すると考えられる。
IDC Japan イメージング,プリンティング&ドキュメントソリューション グループマネージャーの石田英次氏は「今回の調査によって、デジタルネイティブ世代が社会の中心となる頃にはプリントへのニーズが大きく変化することがわかった。ワークフロー自動化で一部のプリントは不要となるが、世代にかかわらず必要とされるプリント内容は必ず残る。ベンダーは、こうしたプリント内容に注目し、プリント付加価値の拡大を目指すべきである」と述べている。
今回の発表は、IDCが発行したレポート「2018年 国内プリント環境エンドユーザー調査:デジタルネイティブ世代のプリント意識」および「IDC Survey Spotlight:2018年 国内プリント環境エンドユーザー調査-デジタルネイティブ世代のプリント意識」にその詳細が報告されている。