WANサービスやゲートウェイ利用で複数拠点からパブリッククラウドへの接続も増加
現在、企業のパブリッククラウド利用が急速に拡大している。この影響で、パブリッククラウド接続用途WANサービスの市場規模も、2017年の市場規模 約84億円、前年比成長率56.8%と、前年に比べて大幅に拡大している。
通信事業者は、自社のWANサービスからパブリッククラウドへのプライベート接続用ゲートウェイ(AWS Direct ConnectやMicrosoft Azure ExpressRouteなど)に閉域接続するオプションサービスを提供している。企業が、上記の通信事業者のWANサービスやゲートウェイを利用して、複数の企業拠点からパブリッククラウドに接続するケースも増加している。
2017年~2022年の年間平均成長率20.8%、2022年の市場規模215億円
今後、パブリッククラウド接続用途WANサービス市場は、2017年~2022年の年間平均成長率20.8%と急成長が見込まれ、2022年の市場規模は約215億円になるとIDCでは予測している。2016年時点では、一般企業のパブリッククラウドの利用用途は、企業のWebサイトなどミッションクリティカルでない用途がほとんどだった。
しかし、2017年には、基幹システムをパブリッククラウドに移行するケースも見られるようになり、これに伴い広帯域かつ高い安定性を持つ高品質な接続回線の導入が増加し始めている。
企業が社内に置いていたアプリケーションをパブリッククラウドに移行する動きが拡大するにつれて、WANのトラフィックは増加する。また通信コストの抑制、レスポンスタイムの短縮、セキュリティやガバナンスの向上などの新たな取り組みが必要になる。
IDC Japan コミュニケーションズ リサーチマネージャーの小野陽子氏は「企業は、重要なアプリケーションをパブリッククラウドに移すタイミングで、WANを見直すべきである」と提言している。
今回の発表は、IDCが発行したレポート「国内通信サービス市場予測、2018年~2022年:クラウドで変わるWANサービス市場」にその詳細が報告されている。また、WANサービスの市場シェアについては、「国内WANサービス市場シェア、2017年:新たなWANサービスへの模索」で提供している。