当局による規制の厳格化とコスト圧力の増大は、金融機関の顧客確認(KYC)およびアンチマネーロンダリング(AML)業務に大きな影響を及ぼしている。そのため、AIを活用したソリューションを使うことにより、顧客のデューデリジェンス(適性評価)における調査業務やアラートに対する確認業務などを分析・自動化し、生産性の向上やコスト削減を図ることが求められているという。
また、AIは近年FinTech分野では特に注目を集めている技術分野であり、グローバルにおいてもさまざまな金融機関や市場関係者による調査・研究が進められている。一方、実ビジネスへの適用に際しては、技術上あるいは各国における法令や規則上の課題が指摘されつつも、海外を含めて先進金融機関は適用を開始している。
日本IBMは、従来より、プロモントリー・フィナンシャル・ジャパンと共同で、KYCとAML業務の分野において、上流の規制対応を網羅したビジネスコンサルティング・サービスおよび先進的アプリケーションの開発支援サービスとソリューションを提供してきた。一方、プロモントリー・フィナンシャル・ジャパンは、日本の金融界を熟知した金融コンサルティング業務を展開してきている。両社は、Promontory Financial Group an IBM Companyの一員としての連携を深めつつ、グローバルと密接に協力・連携して問題解決にあたっているという。
今後は、KYC/AML業務に対するAI技術の適用に向けた整理をさらに進めるとし、具体的には、顧客デューディリジェンス(CDD)/エンハンスド・デューデリジェンス(EDD)調査支援、各種調査機関、情報データとの連携、金融機関の定めるKYC手続きに応じた内部統制機能の搭載、フィルタリングシステム、トランザクション・モニタリングシステムとの連携機能を提供する予定だという。