エンドユーザー体験管理製品は、エージェントによるレスポンスタイムの測定などの機能を有し、ITサービスのパフォーマンスの測定、管理、最適化を行う製品になる。Webアプリケーションのレスポンス状況を監視したり、さまざまな機能の応答時間を調べたりすることにより、顧客満足度の向上や問題点の早期発見と対応を図ることができるとして、着実に認知度が高まっているという。
クラウド化や仮想化技術の進展により、管理側が監視すべき範囲が拡大するとともに不透明になり、管理側が対応できなくなってきたことも市場拡大を後押ししている。また、ベンダーを見ると、高成長を維持するアップダイナミクスが市場の伸びを牽引しているが、オラクルやマイクロソフトの市場参入も拡大の一要因となっている。
この市場は、2017年度売上金額ベースで前年度比30.0%増の大幅な伸びとなり、今回運用管理市場として調査した19分野の中で最も高い伸びを記録した。2018年度も同34.6%増と引き続き高成長を予想している。同市場のCAGR(2017~2022年度)は21.3%と最も高い伸び率を見込んでおり、2022年度には市場は41億円となると予測している。
ITRの取締役/リサーチ統括ディレクター/プリンシパル・アナリストである金谷敏尊氏は、「Eコマースやインダストリ・ソリューションにおいて、エンドユーザー体験はビジネスの競争優位性に大きく影響します。重要なアプリケーションについては、性能監視を通じて良好なレスポンスを確保する動きが強まっていくでしょう」とコメントしている。
今回の発表は、ITRが発行する市場調査レポート「ITR Market View:運用管理市場2018」に詳細を掲載している。レポートには、運用管理市場の全19分野を対象に、国内57ベンダーへの調査に基づいた2016~2017年度売上げ実績および2022年度までの売上げ予測を掲載している。