一般企業ではタブレットに対する需要は低迷
家庭市場向けタブレットは、通信事業向けの出荷が市場を牽引してきた。しかしながら、通信事業者でのスマートフォンとタブレットを抱き合わせた契約はある程度一巡し、既に契約者がタブレットを持っていることから新たな需要が生まれにくくなってきていると考えられる。
さらに、スマートフォンの大容量料金プランが比較的安価になってきたことや、端末料金の高騰などから、タブレットをスマートフォンと抱き合わせた契約にメリットを感じにくくなってきていることなどから、特に回線付モデルの出荷は前年同期比44.6%減となった。Wi-Fiモデルは、アップルiPadの新製品出荷によって大きく支えられ、前年同期比12.7%増となった。
一方、ビジネス市場向けは、Windowsを中心とした金融関連企業でのタブレットの買い替えや導入および学校向け出荷が市場を底支えした。しかし一般企業では、ポータブルPCとの競合や、外出先でのメールなどのやりとりは携帯電話やスマートフォンを利用することが多く、タブレットに対する需要は低迷している。
上位5社はアップル、ファーウェイ、レノボ/NEC/富士通グループ、マイクロソフト、エイスース
2018年第2四半期の国内タブレット市場出荷台数上位5社は、アップル、ファーウェイ、レノボ/NEC/富士通グループ、マイクロソフト、エイスースとなりました。アップルは、通信事業者向け出荷は減少したものの、新製品出荷に底支えされ前年同期比9.7%減にとどまった。ファーウェイは、Androidタブレットとして最大のシェアを維持し一般量販店向けの出荷を伸ばしたが、出荷の中心である通信事業者向けの出荷が大きくマイナス成長となり全体として前年同期比25.4%減となった。
IDC Japan PC,携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストの浅野浩寿氏は、今後の見通しに関し、「家庭市場向けタブレットの出荷は、通信事業者のスマートフォンとタブレットのセット販売というビジネスモデルによって市場は支えられてきた。しかし、タブレットがある程度一巡したことで、同ビジネスモデルでの通信事業向け出荷は今後減少し続ける可能性が高い。一方、ビジネス市場向けタブレットは、今後生命保険会社の入れ替えおよび学校向け出荷によって市場は牽引される一方で、テレワークなどで利用する端末などタブレットを利用した新たなビジネスモデルの創出が必要である」と述べている。
今回の発表は、IDCが発行する「Japan Quarterly Mobile Device Tracker 2018Q2」にその詳細が報告されている。