クライアント仮想化製品の導入でベネフィットの増加効果が見られた
2018年のクライアント仮想化製品のROIは348.4%、投資回収期間は11.7か月となった。初期投資額、年次投資額、ベネフィット(投資によって得られたリターン)はそれぞれエンドユーザー1人当たり25万7,067円(1年分)、6万4,777円(1年分)、77万423円(1年分)と算出された。
IDCのROI分析手法では、ベネフィットをエンドユーザー、IT管理者、企業全体の3つに区分している。エンドユーザーのベネフィットが占める割合が最も高く、全体の56.8%を占めている。IT管理者のベネフィットは37.6%、企業全体のベネフィットは5.6%だった。
エンドユーザーのクライアント仮想化製品の1日当たりの平均使用時間は3.6時間、クライアント仮想化製品の従業員普及率(全従業員に対して、クライアント仮想化製品を使用している従業員の割合)は44.5%だった。クライアント仮想化製品の導入によって、エンドユーザー、IT管理者およびITスタッフ、企業全体でそれぞれ23.2%、36.8%、26.0%のベネフィットの増加効果が見られた。
クライアント仮想化を拡張したデジタルワークスペースのROIは658.0%
クライアント仮想化を拡張したデジタルワークスペースのROIは658.0%、投資回収期間は9.0か月、クライアント仮想化のROIと比較すると、非常に高い値となった。初期投資額、年次投資額、ベネフィットはそれぞれエンドユーザー1人当たり29万3,039円(1年分)、6万9,630円(1年分)、120万2,568円(1年分)と算出された。
クライアント仮想化と比較して、投資額も増加しているが、ベネフィットが非常に高い結果となり、その結果、ROIが高く算出されている。デジタルワークスペースはエンドユーザーにとって、利便性の高い製品であるといえる。
IDC Japan PC,携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストである渋谷寛氏は、「ROIは、ITの有効性を測定する定量的指標として有効な指標の1つである。クライアント仮想化を拡張したデジタルワークスペースは、投資を十二分に上回るベネフィットが得られる戦略的IT施策の1つである」と述べている。
今回の発表は、IDCが発行した「2018年 国内クライアント仮想化市場ROI分析:デジタルワークスペースの投資対効果」にその詳細が報告されている。