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野村総合研究所、2024年度までのICT・メディアに関連する主要5市場の規模とトレンドを予測

 主要5市場の特徴的な動向と予測のあらましは次のとおり。

プラットフォーム市場――クラウドとIoTが市場拡大を牽引

 ・企業による情報システム投資の中心であった「コーポレートIT」向けの投資に加えて、ビジネスの価値向上を目指した「ビジネスIT」への投資が市場拡大を牽引する。特にビジネスITの分野においては、多様なB2B(事業者向け)プラットフォームの登場や、社会インフラとICTが融合したスマートシティなど、企業の枠を超えて、データ連携やシステム間連携が進んでいる。

 ・この市場を牽引するのは、主にクラウドサービスとIoTである。前者は、2018年度の約2.9兆円から2024年度には約5兆円へ(図1)、後者は2018年度の約4.3兆円から2024年には7.5兆円を超える規模へと、それぞれ大きく成長する見込みである(図2)。

図1:クラウドサービス、データセンター、法人ネットワーク市場規模予測(出典:NRI )
図2:IoT市場規模予測(出典:NRI)

デバイス市場――デジタル時代のデバイス市場は規模拡大の好循環に突入

 ・デジタル技術で企業経営やビジネスモデルの変革を図ろうとする「デジタルトランスフォーメーション(DX)」への注目が高まり、デバイス(端末機器)市場においても、更なる発展が期待される。

 ・スマートフォンは、AI機能が搭載により、ますますデータ創出インフラとしての位置づけが高まる。また、スマートスピーカーの普及に伴いヒューマンインタフェースの変革が進むとともに、様々なデバイスを通じて得られたデータの獲得競争が激化する。

 ・AI搭載が進み、データへのアクセシビリティが競争力の1つとなるなか、デバイス市場は、①データの創出、②そのデータをAIに読ませることによるアプリケーションの利便性向上、③デバイス市場の更なる拡大、というポジティブサイクルに入っていく。

ネットワーク市場――携帯電話・スマホの動向

 ・一般世帯向けの固定ブロードバンド回線の加入件数は、2018年度末の3,669万件から、2024年度末には3,870万件に増加する。今後は、スマートフォンへの買い替え需要の一服及びスマートフォンの買い替えサイクルの長期化などにより、今後は微増傾向が続く。

 ・携帯電話・PHSの契約回線数は、タブレット端末やIoT機器など通信モジュールが組み込まれた機器の増加や、多様なMVNO(仮想移動体通信事業者)の登場などにより、2018年度末の1億7,377万回線から、2024年度には1億8,468万回線に増加する。

 ・格安スマホ(MVNO及びMNOのサブブランド)の契約回線数は、今後、段階制データプランや、分離プランを提供するMNOメインブランドとの料金面での格差が縮小することにより、契約回線数の伸びはゆるやかなものとなる。

コンテンツ配信市場――産業としての転換期を迎え付加価値競争へとシフト

 ・ゲーム市場は、消費者が有料で利用する意向が拡大しており、ソーシャルゲームが市場全体を牽引することで、市場全体は2024年度に1兆5,456億円規模に達する。

 ・動画配信市場は、月額固定料金で豊富な映像コンテンツを視聴できるサービスの利用が拡大することにより、2018年度の1,986億円から、2024年度には2,300億円を超えると予測。

xTech市場――デジタル技術活用で「xTech」があらゆる領域で誕生・拡大

 ・xTech市場は、クラウドやIoT、AIなどのデジタル技術を活用し、さまざまな分野・業界で新しいサービスを展開したり、業界構造そのものを変革したりする動きから出てくる新市場を指す。その範囲は幅広いが、「ITナビゲーター2019年版」は、FinTech(金融)、RetailTech(小売)、AdTech(広告)、AutoServiceTech(自動車関連サービス)、EdTech(教育)、HealthTech(ヘルスケア)、SporTech(スポーツ)、AgriTech(農業)・AquaTech(漁業)の分野について動向分析と市場予測を行っている。

 ・例えば、AutoServiceTech市場は、「所有から利用へ」というライフスタイルの変化に沿って成長する。法人型カーシェア市場は、個人顧客にとどまらず法人顧客も取り込み、都市部から地方部へと展開しながら、2018年度の3.3万台から2024年度には8.9万台に達すると予測される)。

 ・xTech市場の中で最も先行している市場の1つであるFinTechは、次々と出現しているFinTech企業、およびそれらの企業と既存金融機関との連携により、新しいサービスやビジネスモデルが興っている。

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