IPAは、システム化の要求をユーザー自身が要件として定義できるよう、2017年3月に「ユーザのための要件定義ガイド」初版を発行した。その後、ユーザー企業が実際に直面した要件定義の問題をヒアリングしたところ、プロジェクトの計画立案、スコープ管理、費用見積もりや品質、リスク管理といったプロジェクトマネジメント上の問題が多く寄せられた。
そこで今回の第2版では、これらの問題を“要件定義問題カテゴリーマップ”として分類し、初版で解説した要求定義の基本領域に加え、全体を包含する「要件定義マネジメント」の領域を新たに追加した。
各領域で直面する問題48項目と解決策をセットで提示し、さらに先行して取組みを進めた企業の成功事例を26件紹介している。より具体的な解決策や事例を多く示すことで、システム開発経験が少ないユーザーが要件定義に取り組むハードルを下げることを狙っているという。
例えば、新たに追加した「要件定義マネジメント」では、利用部門から要求が積み上がるなどで「システムの規模が許容範囲内であるか分らない」という問題が示された。これに対し、要求の総量や必要となるリソース(人員や資金)を把握するための対策を提示している。
具体的には、途中でシステム構築費用を概算見積もりするための方法や、計測すべき数値、留意点などがあげられる。
「ユーザのための要件定義ガイド 第2版」(PDF版)は、9月12日からIPAのWebサイトでダウンロード可能。また、12月には書籍として発行されるという。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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