核融合科学研究所では、核融合エネルギー炉の実現を目的にプラズマ実験やそのシミュレーションを行っている。日立が納入したスーパーコンピュータは、「プラズマシミュレータシステム」としてシミュレーション研究の中核となるものだ。
システム構成は、大規模な並列計算を行う主システムが128ノードのSR16000 モデルL2で構成される。最大理論ピーク性能は77.0TFLOPS(テラフロップス:1秒間に1兆回の浮動小数点演算)となっている。プログラム開発などを行う副システムは、SR16000 モデルL2を2ノードのシステムとSR16000 モデルVL1が1ノードでのシステムで構成される。
SR16000は、最大300TFLOPSを超える論理ピーク性能を誇るスーパーコンピュータで、1平方メートルあたり7.1TFLOPS、消費電力1Wあたり102.1MFLOPSの性能を持つ。今回採用された水冷モデルのSR16000 モデルL2は、1ノードにPOWER6プロセッサー(4.7GHz)を16個搭載し、1ノードあたりの論理ピーク性能は601.6GFLOPSとなっている。SR16000 モデルVL1は、POWER6プロセッサー(5.0GHz)を32個搭載し、1ノードあたりの論理ピーク性能は1.28TFLOPS、メモリ容量は1TBとなっている。