米SAP SEは、6月18日(現地時間)にSAPのビジネス・テクノロジー・プラットフォームポートフォリオへの新機能の追加、機能強化、および機能の統合を行ったと発表した。
今回、行われた新機能の追加や機能強化などによって、SAPのビジネス・テクノロジー・プラットフォームでは、統合されたエンド・ツー・エンドのサービスとツールを使用して、データエクセレンス、プロセス統合、拡張というITの3つの主要領域における価値を実現できる。
具体的には、オンプレミス、クラウド、ハイブリッドの環境で、次のことが可能になる。
・SAP HANAを使用したさまざまなデータストアのリアルタイムでの管理
・SAP Cloud Platform Integration SuiteとSAP Cloud Platform Extension Suiteを使用したIT環境全体のエンタープライズアプリケーションの統合および拡張
・SAP Analytics CloudとSAP Data Warehouse Cloudソリューションを使用した、データの分析によるプランニングと意思決定の向上
・新しいインテリジェントテクノロジーを使用した、ビジネスイノベーションの継続的な推進
6月末の提供を予定している「SAP HANA 2.0 SPS 05」では、SAP HANA Cloudデータプラットフォームを使用するハイブリッド環境がサポートされる。また、SAP HANAネイティブストレージ拡張の強化などの新機能も追加され、データ管理のシンプル化と総所有コストの低減を実現する。7月上旬には、SAP HANA Cloudのオープントライアルが予定されている。
SAP Data Warehouse CloudおよびSAP Analytics Cloudには、さまざまなプリビルト・ビジネス・コンテンツパッケージが含まれる。これらのパッケージにあるエンド・ツー・エンドのビジネスシナリオを使用して、ビジネスや技術に関する主要な問題を解決し、データからすばやくインサイトを得られる。
SAP Data Warehouse Cloudの最新のアップデートでは、小売業界に特化したビジネスコンテンツが追加される。SAP Data Warehouse Cloud向けのプリビルトコンテンツやデータコネクターが、SAP App Centerにさらに追加される予定である。
また、2020年第3四半期初旬に提供予定のアップデートでは、新しいビジネスレイヤー機能が追加される見込みである。幅広い選択肢からコネクターを選択し、拡張性の高い双方向のデータ統合プロセスを任意のデータソースとの間に構築できる組み込み型のデータフロー機能も提供される。
SAP Data Warehouse CloudとSAP Analytics Cloudとのさらなる統合によって、データおよび分析環境の統一性が高まり、すべてのデータの全体像を正確かつ明確に捉えられるようになる。分析結果から実際のビジネスインサイトを得ることが可能になる。
6月12日にリリースされた「SAP BusinessObjects Business Intelligence 4.3」のプランニング機能と予測機能は、SAP Analytics Cloudの最新アップデートに統合され、より迅速かつ強力なプランニングができるようになった。
SAP Cloud Platform Integration Suiteは、価格体系を変更するとともに、統合サービスの購入や利用がさらに容易になる。一度サインアップすれば、すべての機能を利用可能なので、複数のサービスのライセンスを入手する必要はなく、必要なサービスを必要なときにオンデマンドで利用できる。また、SAPアプリケーション間で使用可能な標準メッセージを備えた、プリビルドの統合パックを無料で提供する。
なお、SAPはHoneywellと、不動産業界向けにクラウドベースのソリューションを共同で開発すると発表。同ソリューションは、Honeywell ForgeとSAP Cloud Platformを基盤にしており、業務データとビジネスデータを合理化することで効率性を高める。価値の高いビジネスインサイトを得ることによって企業の業績を向上させ、強力な感情データの分析で従業員エクスペリエンス管理の向上を目的としている。