米現地時間12月10日、Adobe(以下、アドビ)は2020年度第4四半期および通年(2020年11月27日を末日とする)の決算を発表した。
アドビの会長、社長兼CEO(最高経営責任者)であるシャンタヌ ナラヤン(Shantanu Narayen)氏は「前例のないマクロ経済環境にもかかわらず、第4四半期と2020年度通年で過去最高の業績を達成できました。アドビはクリエイティビティ、デジタル文書、顧客体験管理という3つの成長分野をけん引するリーダーとして、2021年度以降もこうした巨大な市場機会を捉え続けることができると確信しています」と述べている。
2020年度第4四半期の業績ハイライト
- 2020年度第4四半期の収益は過去最高となる34億2,000万ドル、前年同期比14%増
- デジタルメディア分野の収益は25億ドル、前年同期比20%増。うちクリエイティブ分野の収益は20億8,000万ドル、Document Cloudの収益は4億1,100万ドルにそれぞれ拡大。デジタルメディア分野の年間経常収益は当四半期末時点で101億8,000万ドルに拡大し、前四半期比5億4,800万ドルの増加。クリエイティブ分野およびDocument CloudのARRは、それぞれ87億2,000万ドル、14億6,000万ドルに拡大
- Advertising Cloudの収益を含むデジタルエクスペリエンス分野の収益は8億7,700万ドル
- 事業分野報告の変更後のデジタルエクスペリエンス分野の収益は8億1,900万ドル、前年同期比10%増。デジタルエクスペリエンス分野のサブスクリプション収益は前年同期比14%増
- 第4四半期のGAAPベース営業利益は12億2,000万ドル、non-GAAPベース営業利益は15億4,000万ドル
- 営業キャッシュフローは過去最高となる17億8,000万ドル
- 四半期末の残存履行義務(Remaining Performance Obligation)は113億4,000万ドル
- 当四半期中に約160万株を買い戻した
2020年度の業績ハイライト
- 2020年度通年の収益は過去最高となる128億7,000万ドルに達し、前年比15%増
- 通年のGAAPベース希薄化後1株当たり利益(EPS)は10.83ドル。Non-GAAPベース希薄化後1株当たり利益(EPS)は、10.10ドル
- デジタルメディア分野の収益は92億3,000万ドル、前年比20%増。Creative CloudおよびDocument Cloudの年度収益はそれぞれ過去最高となる77億4,000万ドルと15億ドルを達成。デジタルメディア分野のARRは通年で18億5,000万ドルの増加
- Advertising Cloudを含むデジタルエクスペリエンス分野の収益は34億ドル
- 事業分野の変更後のデジタルエクスペリエンス分野の収益は31億3,000万ドル、前年比12%増。デジタルエクスペリエンス分野のサブスクリプション収益は前年比17%増
- 前年比で見ると、GAAPベースでは営業利益が30%増、純利益が78%増
- 通年の営業キャッシュフローは過去最高の57億3,000万ドル
- 当年度中に合計800万株を買い戻し、30億ドルの現金を株主に還元
2021年度の財務目標
収益合計 | 最大151億5,000万ドル |
デジタルメディア分野の収益 | 前年同期比最大19%増 |
デジタルメディア分野の純ARR(年間経常収益) | 純ARRで最大17億5,000万ドル |
デジタルエクスペリエンス分野の収益 | 前年同期比最大19%増 |
デジタルエクスペリエンス分野のサブスクリプション収益 | 前年同期比最大22%増 |
税率 |
GAAP:最大19% Non-GAAP:最大17.5% |
株式数 | 最大4億8,200万株 |
1株当たり利益(EPS) |
GAAP:最大$8.57 Non-GAAP:最大$11.20 |
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