3月4日、ラックスリサーチは、年次技術予測レポート「Foresight 2021:Top Emerging Technologies to Watch(Foresight 2021: 2021年に注目すべき先端技術)」にて、2021年に注目すべき技術の総合ランキングとしてのトップ12の技術に加え、エレクトロニクス・IT分野における主要技術トップ5を発表した。
同社は、本調査にて注目の技術を特定する際、独自開発のデータアナリティクスプラットフォーム「Tech Signal(テックシグナル)」にてイノベーションデータの分析を行い、技術開発への関心が急速に高まりを見せている技術を特定。しかし、注目度が高く技術開発が盛んに行われていたとしても、規制や事業性など、商用化において克服すべき重大な課題を抱えている技術も存在するという。そこで、データ分析によるランキングに対し、自社の技術専門家であるアナリストが事業性などの最終的な技術評価を行い、今回の総合ランキングおよび産業別を作成したとしている。
エレクトロニクス・IT分野で2021年に注目すべき技術トップ5
- AI搭載型センサー:人工知能(AI)搭載型センサーは、重要なデータの収集・検証に向けてハードウェアとソフトウェアを統合しており、コンシューマー向けウェアラブルから医療機器、産業用IoTまで多くのユースケースにて活用可能である
- デジタルバイオマーカー:データストリームを分析して各種疾患を特定することを可能にするデジタルバイオマーカーは、ヘルスケア事業に関心を持つエレクトロニクス企業に注目されている
- 自然言語処理(NLP):エレクトロニクス企業やIT企業は、自然言語処理(NLP)技術を自社データの活用あるいはサービスとして提供することにより、新しいサービスの提供や産業セグメントへの参入が可能
- エッジコンピューティング:ハードウェアやソフトウェア技術の革新を受け、重要な計算機能をクラウドからエッジ側で処理することが可能になり、トラフィックの負荷軽減やレイテンシーの課題に対応できる
- 合成データ:人工知能の学習には大量のデータが必要となりますが、実際のデータが少ない場合は合成データが活用できます。合成データを活用することでデータの多様性やデータプライバシーの確保が可能
ラックスリサーチのヴァイスプレジデント、Kevin See氏は、「デジタルトランスフォメーションは既にコンセプトとして語られていたステージから脱しており、デジタル技術の導入を検討する企業は、過大評価されている企業やツールを避け、実際に投資効果を得られるような形でデジタル技術を活用していくことが重要です。センサーのアウトプットにAIを活用する、デジタルバイオマーカーを分析して各種疾患を特定する、エッジコンピューターを利用してローカルでほぼリアルタイムでデータのもたらすインサイトを抽出する、など、今回選ばれた5つの技術の中心となるテーマは、データから価値を抽出することにあります」と述べている。
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