2日、NTTコミュニケーションズは、クラウドを実現する新しいサービス基盤の実証実験を開始したことを発表した。新しいサービス基盤は「Setten」と呼び、既存のクラウドコンピューティングサービスを包含しつつ、ネットワークからアプリケーションまでを提供する仕組みを持つ。特徴は、多様なアクセス手段、既存ネットワークの利用、システムの高品質、高信頼性などとなっている。
実験の内容は、仮想デスクトップ環境によるリモートオフィスを構築し、各種サービスやシステムとの連携やSaaSアプリケーションの検証などだ。リモートオフィスは国内、海外を問わず、また接続端末もPC、携帯電話を想定し、これらをシームレスに接続する。参加企業は流通業やNPO団体、教育機関のほか、グローバルに展開する企業など15社の協力を得て、実証実験システムの操作性や使用感、業務をサービス基盤上で実施するにあたっての課題、今後追加を検討すべきSaaSアプリケーションなどを検証する。
実験システムは、認証、WebOS、SaaSアプリケーション、ストレージから構成される。実験参加者は、Webブラウザ経由で社内システムやSaaSアプリケーションに接続する。これらのアプリケーションは、他のSaaSアプリケーションやクラウドサービスとの連携やデータ交換なども可能だという。
実証実験は、6月2日から8月まで実施する予定で、実験後に得られた結果を「BizCITY」ブランドのもと、平成21年度内に実際のサービス提供を開始する予定だ。