NTTは11日、同社のサイバースペース研究所が開発したファイルシステム「NILFS」(ニルフス)がLinuxカーネルに正式採用されたことを発表した。サイバースペース研究所は、オープンソースソフトウェアの企業採用をサポートするため、Linuxなどの信頼性向上などに取り組んでおり、NILFSはその一環として開発されたファイルシステムだ。現在はNILFS2が公開されている。
採用されるカーネルは、Linux 2.6.30となる。汎用的なグローバルなオペレーティングシステムに日本発のファイルシステムが採用されるのは、NILFSが初めてとなるという。NILFSは、すでにDebian GNU/Linuxといった一部のディストリビューションには採用されているが、NILFS2の公式版への採用が決定した。
NILFSの特徴は、サービスを停止することなくファイルシステムのスナップショットを連続的に取得することができ、その時点へのシステムの復旧を可能にする。これにより、Linuxシステムでの災害復旧やリカバリ機能に新しい展開が開ける可能性がある。
その他の特徴としては、データの追加や修正を既存の領域への上書きではなく、差分をチェックサムつきで保存することで、不慮のデータ破壊の可能性を低くすること。トランザクションごとに時刻情報つきのスナップショットを生成するため、ファイルシステムの一貫性チェックが不要であること。スナップショットは自動的に削除されるため、余計なディスク管理が不要であること。ファイルの管理にB木構造を利用するため、大量のファイル、大容量のファイルの管理が効率化できる。などがある。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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