調査報告によれば、2008年度~2010年度製造業全体のIT投資額及び投資計画の推移は、2008年度(09年3月期)がマイナス2.2%、2009年度(10年3月期)見込みがマイナス3.8%となった。金融危機後の世界同時不況によって打撃を受けている製造業では、IT投資縮小傾向が強まっているという。
また、不況時でも製造業の投資意欲が高いソリューションとして、同研究所では「環境・エコ」「コスト削減」が挙げている。「環境・エコ」については、ITベンダーのビジネスチャンスはグリーンITのみではなく、ハイブリッド車やエコ家電、燃料電池など、環境関連製品の開発や生産に関わるさまざまなIT需要が伸びているという。
一方、「コスト削減」はITソリューションにおいても製造業の最大の関心事となっているとのこと。とりわけ、ITの維持運用費といった固定費の削減への関心は高いとの結果が出た。仮想化技術によるサーバ統合やアウトソーシングなど、ITインフラ(システム基盤)のコスト削減ソリューションは好調に推移。
2009年に入り景気底打ちかという期待も出始めているものの、同研究所では、製造業ではようやく生産調整が一段落した状態とみている。IT投資が回復するまでには半年~1年の期間を要し、本格的な回復は2010年以降になると推測している。
【関連URL】
・2009年 製造業向けITビジネス-金融危機後のユーザ動向とSIerの戦略-
http://www.yano.co.jp/market_reports/C51105500
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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