パロアルトネットワークスは、熊谷組が、逼迫したネットワークトラフィックへの対応とセキュリティ強化を目的に、「Prisma Access」を導入したと発表した。
熊谷組では、ビジネス規模の拡大にともないクラウドサービスの利用が急増したことで、トラフィックの増大化による通信不良が発生し、ネットワークの見直しが喫緊の課題となっていた。またセキュリティについても、従来のネットワークではファイアウォールとプロキシサーバーによる境界防御型で対応していたため、高度化・巧妙化する脅威に対する懸念が増していたという。
そうした課題を解決するため、同社ではネットワークとセキュリティの構成を刷新することを決断。セキュリティについては、境界防御型からゼロトラストセキュリティの考え方に基づくSASEソリューションへの切り替えが決まり、複数のゼロトラスト/SASEを標榜するソリューションを比較検討した結果、Prisma Accessを選定したとしている。
2021年10月に選定に着手し、約半年後の2022年4月にPrisma Accessの導入が決定。その後、ネットワークとセキュリティの刷新に向けた要件定義を改めて実施し、約5ヵ月かけてPrisma Accessの設定・開発を行った。2022年9~10月には、本社各部門のPC数台にPrisma Accessをインストールして社内システムやWebサイトのアクセス可否を確認、11月から全国の拠点に展開し、2023年2月よりPrisma Accessの全社での運用を開始したという。
導入後の効果と今後について、同社の経営戦略室 DX推進部 ITソリューショングループ 係長 眞鍋準次氏は次のように述べている。
「ネットワークに関しては、従来の帯域保証型300Mbpsの専用線からベストエフォート型1Gbpsの回線に切り替えたことで、本社で発生していた輻輳・遅延を回避するとともに、コスト削減にもつながりました。VPNの課題については、VPNクライアントを従来のソフトウェアからPrisma Accessへ切り替えたことで通信速度が30Mbpsから150Mbpsへと約5倍も高速化しています。FQDNの例外設定が行えるようになり、ボトルネックだったプロキシサーバーも不要になるなどセキュリティ運用の課題も解決できました。何よりも、Prisma Accessに搭載されている多様なセキュリティ機能が利用可能になったことで、高度なセキュリティリスクに対処できたことが最大の導入効果だと感じています」
熊谷組では今後、本社・支店・グループ会社だけでなく、現場事務所へのPrisma Access適用を予定。また、社員に配布しているスマートフォンからのアクセスにも対応させるための手順書づくりも進めているという。
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