SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

Data Tech 2024

2024年11月21日(木)オンライン開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2024年秋号(EnterpriseZine Press 2024 Autumn)特集「生成AI時代に考える“真のDX人材育成”──『スキル策定』『実践』2つの観点で紐解く」

EnterpriseZineニュース

Oktaがパスワードレス認証の「パスキー」機能を製品に実装、セキュリティ確保とユーザーの利便性実現めざす

 クラウド型IDaaSサービスを提供するOktaは2024年4月26日、記者説明会を開催し、Webサービスやアプリケーションにおけるパスワードレス認証「パスキー」の導入とそれによる顧客体験の向上について解説した。

Okta Japan プリンシパルデベロッパーアドボケイト 池原大然氏
Okta Japan プリンシパルデベロッパーアドボケイト 池原大然氏

 Okta Japanの池原氏はまず、ユーザーが日々のオンラインサービス利用において直面するパスワードの課題を説明した。Oktaが2023年に実施した調査によると、回答者の65%(日本では68%)が管理しなければならないユーザー名とパスワードの数に圧倒されていると回答。さらに39%(日本では33%)がユーザー名やパスワードを忘れてログインできないことが月に1回以上あると回答したという。池原氏は「ログインをするという行為に対して、ユーザー様はいろいろな障壁や不満を感じられている」と指摘。

 また、パスワードに代わる認証方式では、SMS、メール、ワンタイムパスコードなどを利用する多要素認証(MFA)は一定のセキュリティ向上効果はあるものの、ユーザーの利便性を損なうデメリットがあると池原氏は指摘する。そこで注目されているのが「パスキー」機能だ。

公開鍵暗号方式を用いたセキュアなパスワードレス認証「パスキー」

 パスキーはFIDOアライアンスが策定した仕様に基づくパスワードレス認証だ。公開鍵暗号方式を用いることで、サーバー側には公開鍵のみが保存され、秘密鍵はユーザーのデバイスにのみ保存される。これによりサーバーから認証情報が流出するリスクを大幅に減らせるという。

 「万が一サーバー側から公開鍵が流出してしまう事態になったとしても、それを使って悪意あるものが認証を突破するということの危険性は低くなっていきます」(池原氏)

 また、事前に登録されたユーザーアカウントとウェブサイト・アプリのIDと紐付けられているため、フィッシングサイトへのログインを防止できるのも特長だ。

Okta Japan [画像クリックで拡大]

 ユーザーにとってもメリットは大きい。池原氏は「たとえばスマートフォンを使った場合、ロック解除に使っている暗証番号や生体認証を使ってログイン認証ができるので、ユーザーは摩擦のない認証体験ができる」と説明。さらに「一度登録した認証情報はクラウドサービスを介して複数のデバイス間で同期できるので、新たにデバイスごとに認証情報を登録する必要がない」とも語った。

 池原氏はパスキーには大きく2種類あると説明した。1つはセキュリティキーなど特定のデバイスに紐づけられ、他のデバイスとは共有できない「デバイス固定パスキー」。もう1つは、クラウドサービスを介して異なるデバイス間で共有・同期できる「同期パスキー」だ。

 「それぞれのセキュリティ要件に合わせて、どちらを使うか、あるいはどちらかに制限するかを検討することになるでしょう」(池原氏)

 また、同期パスキーに関しては、米国国立標準技術研究所(NIST)がガイドライン(NIST SP 800-63B)の補足文書を4月に公開。認証保証レベルのレベル2(AAL2)を満たすための条件などが示されているということから、日本でも同期パスキーの導入に向けた検討が進むことが期待されると池原氏。

開発・運用コスト削減とユーザー体験向上を両立する「Okta Customer Identity Cloud」

 そうした課題を解決し、開発者の負担を減らしつつ、ユーザーにとって使いやすく安全な認証を提供するのがOktaの「Okta Customer Identity Cloud」だ。池原氏は、同製品の「Universal Login」機能を用いることで、ログインUIの構築や認証処理をOktaに任せることができ、開発コストとメンテナンスコストを大幅に下げられると説明した。

 さらに、パスキーやソーシャルログインなど新しい認証方式への対応も容易で、管理画面の設定変更だけで簡単にパスキーを有効化でき、アプリ側の実装をほとんど変更する必要がないことも特長だ。

Okta Japan [画像クリックで拡大]

 加えて、同製品では既存のユーザーに対してパスキーの利用を促したり、ログイン時のUIをカスタマイズしたりと、パスキーの導入におけるユーザー体験の最適化を支援する機能も提供。アカウントリカバリーのためのリセット機能など、運用面でのサポートも充実している。

Okta Japan [画像クリックで拡大]
Okta Japan [画像クリックで拡大]

 「Okta Customer Identity Cloudのパスキー機能を使用することで、実装・保守運用のコスト低減と、ユーザーのセキュリティ・利便性の向上を同時に実現できる」と池原氏は述べた。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
この記事の著者

京部康男 (編集部)(キョウベヤスオ)

ライター兼エディター。翔泳社EnterpriseZineには業務委託として関わる。翔泳社在籍時には各種イベントの立ち上げやメディア、書籍、イベントに関わってきた。現在は、EnterpriseZineをメインにした取材編集活動、フリーランスとして企業のWeb記事作成、企業出版の支援などもおこなっている。 ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/news/detail/19634 2024/04/26 20:07

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング