2024年10月3日、aiQとあおぞら銀行は、共同で実施した生成AIによるシステム開発適用の実証実験(以下、PoC)が完了し、EUCのロジック解析と単体テスト工程で有効性が確認されたと発表した。なお、今回のPoCで得られた知見や検証の成果は、あおぞら銀行内で現在進行中のシステム開発プロジェクトで活用しているという。
実施内容と成果
2024年2月から4ヵ月間の予定で、同行がデリバティブ取引のバック業務で利用しているEUCを対象に、処理内容の解析・整理を生成AIに実施させ、ドキュメントの作成やリファクタリングなど適用可能範囲とその品質について検証。2024年3月末の段階で、当初目標として設定していた現行EUCの中で最も複雑な帳票作成ロジックについて、有識者以外でも平易に理解が可能な仕様書が作成でき、生成AIのシステム開発への適用に有効だと確認できたという。そのため、PoC期間を1ヵ月延長し、単体テスト工程への生成AIの活用についても追加的に検証したとのことだ。
単体テスト工程では、「テストケース作成」「テストデータ作成」「テストの期待結果作成」の3点を検証。実際のシステム開発プロジェクトでの利用を念頭に置き、テスト実施時の効率性や再現性、横展開可能な再利用性を確保できるようにプロセスを設計したという。生成AIにクエリとテーブル定義書をインプットとして与え、3点をアウトプットする関数を実装するプロンプトを用意したとのことだ。システム開発未経験者も参加し、実際の業務で使用されているEUCを対象に単体テスト工程のプロセス評価を行ったという。
今後は、上流工程も含めた各工程における成果物の製造と評価といった複数のロールに対し適用範囲を広げていくとしている。
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