2024年12月16日、ネットワンシステムズは、横浜市が利用するガバメントクラウド上の共通基盤(県域WANを活用したガバメントクラウド接続、共通インフラ機能、データ連携基盤)の整備を支援したと発表した。
同社は今回、自治体職員の業務プロセスと利用シーンの調査・分析を行った上で、横浜市に適した共通基盤の設計・構築を行ったという。また、「神奈川情報セキュリティクラウド(略称:KSC)」の県域WANを活用した接続構成としたことで、接続に係る導入コストの削減と期間短縮を実現しながら、KSCのセキュリティ要件に準拠した接続を行ったとのことだ。
今回の支援における詳細は以下のとおり。
顧客視点での要件の解明と整理を伴走支援
ガバメントクラウド上の共通基盤の整備においては、デジタル庁よりガイドラインや規定などが公開されているものの、度々の改版により内容変更が行われてきた。また、実装方法など一部の情報が足りない部分については、自治体から問い合わせ文を作成し、デジタル庁へ確認を取った上で検討を行う必要があり、多くの自治体において煩雑かつ手探りの対応となっていたという。
この課題に対して、同社のエンジニアが、改版の度にガイドライン・規定などを確認し、横浜市と読解を実施。ガバメントクラウド共通基盤の利用申請フローの整備など、ガバメントクラウド導入の移行に向けて伴走し、顧客視点に立った支援を提供したとのことだ。
自治体案件で培った技術力と知見を元にした支援
県域WANを活用した接続、共通インフラ機能およびデータ連携基盤の構築の支援では、ASP(Application Service Provider)、CSP(Cloud Service Provider)の仕様確認や、横浜市の現システム環境を考慮した検討などが必須。同社では、これまでの知見をもとに同プロジェクトを推進したという。
今後も、基幹業務システムの統一・標準化に向けて行われるASP事業者との結合テストを継続的に支援し、その後の24時間365日での環境維持・運用支援を行う予定だとしている。
また、ガバメントクラウドの利用開始後は、同社の「Managed ONEガバメントクラウド接続運用サービス」を活用した運用を予定しているという。同サービスは、個別要件だった運用サービス内容を集約し、標準化、体系化したもの。ガバメントクラウドとの接続インフラについての運用をパッケージ化し、ガバメントクラウド利用における複雑な運用管理の業務最適化を支援するとのことだ。
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