2025年1月15日、Boxは、新しいEnterprise Advancedプラン、およびそれに含まれるAI搭載機能の提供を開始した。
同サービスは、BoxのICMプラットフォームの機能を単一のパッケージにまとめたもの。同プランでは、新機能であるBox Apps、Box AI Studio、Box Doc Gen APIの利用が可能だという。ワークフローの自動化やインサイトの抽出、企業の業務プロセス改善を実現できるとのことだ。
Box Appsは、アプリケーションをノーコードで展開可能。同社が示すBox Appsの活用例は以下のとおり。
- 人事部門:従業員のポリシー、社内手続き、福利厚生に関する情報にメタデータを適用するポリシーアプリを作成。多用されるドキュメントの作成、更新、保守に関するプロセスを管理できる
- マーケティング部門:グラフィック、画像、動画などの各種リッチメディアアセットを管理するアセットアプリを作成。取り込み、保存、検索、取得、ユーザーとのコラボレーションが可能
- 法務部門:Boxで管理された契約書のメタデータ抽出を自動化する契約書アプリを作成。期限に関するアラートの組み込みや契約書の作成、レビュー、承認、署名のための送信プロセスの標準化を実装できる
- 経理部門:請求書からメタデータを抽出。既存の発注書へのマッピングを支援し、承認から支払いまでのトランザクション追跡プロセスを効率的に管理するトランザクションアプリを作成できる
- 営業部門:NDA、提案書、見積書、契約書を検索して取り出せるようにすることで、取引サイクルを高速化させるアカウント管理アプリを作成できる
また、Box AI Studioは、Azure OpenAI、AWS Bedrock、AnthropicのClaude、Google CloudのVertex AIといったLLMを活用し、企業独自の要件に合わせたカスタムAIエージェントの作成、テスト、展開が可能だという。Box AI Studioの活用例は以下のとおり。
- 営業部門:AIが生成する契約概要の書式を標準化し、過去の契約に関する関連性のある質問への回答や顧客データからのインサイトを提供。営業効率を向上させながら、カスタマイズされたエージェントを作成できる
- マーケティング部門:ブランドガイドラインやターゲットオーディエンスの嗜好、コンテンツフォーマットをカスタマイズしたエージェントを作成。企業のメッセージングやブランドガイドラインに沿ったブログ記事、ソーシャルメディアコンテンツ、マーケティングコピーを生成できる
- カスタマーサービス部門:商品カタログや顧客データからのインサイト、過去のやりとりにもとづき、従業員に回答を与えられるエージェントを作成。応答時間を短縮できる
- 人事部門:企業のバリューや従業員のガイドラインに合わせてカスタマイズされたエージェントを作成。採用候補者の体験を向上させたり、従業員のフィードバックやパフォーマンスデータからインサイトを得たりできる
- 製品部門:現在および将来の機能を含む製品情報でカスタマイズされたエージェントを作成。顧客からのフィードバックを取り込み、ギャップを要約し、顧客への質問対応に役立つ情報を提供できる
加えて、同社はAPI経由でBox Doc Genを提供。Box Doc Genは、サードパーティ製アプリ、カスタムアプリ、メタデータからデータを取得し、Box内でカスタムドキュメントを自動的に作成するとのことだ。
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