サーバーワークスは、早稲田大学と全学的なAWS利用における調達・運用モデルの構築に関する基本合意を締結した。
同合意は、研究室単位で個別最適化されていたクラウド利用の課題を解決し、コスト低減と手続きの簡素化、全学的なガバナンス強化を推進するものだという。国内の大学や研究機関で、AI開発やデータサイエンス、高度なシミュレーションなど、大量の計算資源を必要とする研究が活発化していることが背景にあるとのことだ。
文部科学省の競争的研究費からクラウド利用料の支出が可能となったこともあり、研究基盤としてパブリッククラウドの活用が急速に拡大しているという。一方で、この拡大は研究室単位での個別導入で進むケースが多く、早稲田大学においても、多数のAWSアカウントが個別の契約で運用されている状態とのこと。これにより、全学的な利用状況の把握が困難になるほか、サポート契約の重複や、個別に調達することによる事務コスト増といった、管理・運用面での非効率性が大きな課題になっているという。
今回の枠組みにおいて、サーバーワークスはAWSリセラーとして早稲田大学の研究利用向けAWSアカウントを一元的に提供するとしている。また、個別のアーキテクチャ設計支援、利用料の最適化(コストコントロール)、セキュリティとガバナンスに関する包括的なアドバイザリサービスを提供することで、早稲田大学のCCoE(Cloud Center of Excellence)運営を支援すると述べている。
期待される効果
同合意に基づく取り組みにより、これまで個別最適となっていたクラウドの調達・運用プロセスが全学レベルで標準化され、計画の主目的である「利用に係る費用の低減」と「手続きの簡素化」の実現が期待されるとしている。
また、全学統一のガバナンスとセキュリティ基準を適用することで、研究基盤の安全性を高め、研究者が管理業務の負担から解放され、本来の研究活動に集中できる環境を構築するとのことだ。
今後の展望
サーバーワークスは早稲田大学との同取り組みを、国内の大学・研究機関におけるクラウドガバナンスの先進的モデルケースとして確立することを目指すという。
今後は、同モデルの構築・運用で得られる知見を活かし、同様の課題(調達の非効率性やガバナンス強化)を抱える他大学や研究機関への展開も視野に入れているとのことだ。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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