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日本IBM、2026年AI戦略を発表、「仕様駆動開発」と「デジタル主権」の新ソリューション

 日本アイ・ビー・エム(以下、日本IBM)は2026年2月10日、AI戦略説明会を開催した。取締役副社長執行役員 兼 CAIO(Chief AI Officer)の村田将輝氏が登壇し、AI駆動開発ツール「IBM Bob」やデジタル主権対応の新ソフトウェア「IBM Sovereign Core」を軸に、2026年の戦略方針を示した。

日本アイ・ビー・エム株式会社 取締役副社長執行役員 兼 Chief AI Officer(CAIO) 村田将輝氏

 「1年前、お客様の質問は『AIで何ができるか』だった。今は『AIでどんな成果を出すか』に変わっている」。村田氏は冒頭、顧客の関心がAIの能力から測定可能な成果へ移行したと指摘した。IBMとオックスフォード・エコノミクスの共同調査では、AIが2030年までに収益を大きく引き上げると考える経営幹部は79%に上る一方、収益源を明確に把握している経営幹部は24%にとどまる。この期待と現実のギャップを埋めることが日本IBMの使命だと位置づけた。

 戦略は「IT変革のためのAI」「ビジネス変革のためのAI」「統合AI基盤」の3本柱に「IBM AI Lab JapanとAIパートナーシップ」を加えた「3+1」で構成される。

出典 日本IBM [画像クリックで拡大]

 IT変革の核となるのが「仕様駆動開発」だ。村田氏はAI駆動開発を、プロトタイプ向けの「バイブコーディング」、高スキルエンジニア向けの「ハイブリッド」、重要システム対応の「仕様駆動開発」という3つに区分し、特に仕様書を唯一の基準としてAIがコード生成まで担う仕様駆動型の開発でリーダーシップを取ると明言した。また、日本IBMはAIモデルの選定・運用でも先進的なアプローチを取り、2025年の10月には米AnthropicのClaudeとパートナーシップを結ぶなど、プロジェクトごと・ユースケースごとに最適なAIモデルを自動選択できる基盤を構築している。「最も優れたAIモデルを技術・コスト双方から柔軟に活用できるのがIBMの強み」と村田氏は語り、特にClaudeとの連携がモデル自動判別機能を強化している点を強調した。

出典 日本IBM [画像クリックで拡大]

 その中核として「IBM Bob」はAIエージェント駆動の開発支援ツールとして、2026年3月にSaaS版の日本語対応、9月までにオンプレミス版の提供を予定する。統制・安全性を重視した「エンタープライズ志向」、クラウド・オンプレミス両対応の「ハイブリッド拡張性」、COBOLやRPGを含む「全方位モダナイゼーション」の3つが特長だ。利用するAIモデルはAnthropicのClaude、Mistral AI、IBMのGraniteなど複数で、タスクに応じて自動で最適なモデルに振り分ける。

出典 日本IBM [画像クリックで拡大]

 IBM自身の実践では現在3万3000人がIBM Bobを活用し47.5%の生産性改善を記録。パートナーのイグアスもアプリ開発工数38%削減を実証した。村田氏は「2025年の崖の本質は技術的負債とスキル継承の問題。IBM Bobはその架け橋になる」と語り、日本IBM独自の大規模開発ノウハウを組み込んだアセットの開発も進めていると明かした。2027年以降、システム開発全体で35%工数削減・30%期間短縮を目標に掲げ、「システム開発のあり方を過去40年で最も変える年にする」と語る。

 ビジネス変革の領域では、まず「AIエージェントのトリレンマ」という考え方が説明された。これは、「正確性」「柔軟性」「速度」という3つの要素は本来どれも重要だが、現状のAIエージェント開発ではこのすべてを同時に高めるのが難しく、どれかを重視すると他の性能が犠牲になりがち、という課題である。

 村田氏は、この「トリレンマ」の課題への対応を、コールセンター業務での取り組みを例に紹介した。コールセンターの現場では顧客対応中に手順の変更や割り込みが頻繁に起きるため、それに対応しようとするとAIエージェントは、応答の遅延や対応品質のばらつきといった問題が発生しやすい。そのため、IBMは160種類以上ものエージェント型AIソリューションをコールセンター向けに展開しているという。特に、金融業界向けの音声AIエージェント「DSP Voice Agent Kit」や、プロセスの複雑さに対応するためインフラとアプリを組み合わせることで、「正確性」「柔軟性」「速度」の課題を克服しているという。また、製造業向けには自動搬送AIソリューション「ORION」など、業務特化型のAIエージェント開発も推進していると強調した。

 統合AI基盤では「デジタル主権」が論点となるという。部門ごとにバラバラなAI導入が進む中、ガバナンスやセキュリティの確保が困難になっている。村田氏は従来の「データ主権」から、運用場所・アクセス管理・技術のロックイン排除まで含む「デジタル主権」への拡張が必要だと説き、「IBM Sovereign Core」を発表した。これは既存アーキテクチャーに主権レイヤーを重ねるのではなく、主権をソフトウェアそのものに組み込む設計で、企業が独自に展開可能なコンプライアンス対応・自動化・セキュリティ機能を提供する。Red HatやHashiCorpのオープン技術を基盤に6月までに一般提供を予定する。

 最後に、日本IBMのAI技術開発を担う拠点「IBM AI Lab Japan」について説明があった。同ラボは東京ラボラトリー内に設置され、AIソフトウェアセンターとAIハードウェアセンターの2部門体制で運営される。約700名の専門人材が全社横断型のプロジェクトに参画し、松尾研究所やSIGNATEなど国内有力研究機関との連携も強化している。AIパートナーシップ戦略では東北電力やJCBと協業し、成果とリスクを分かち合う共同事業体制を推進。さらに、自社幹部300名が受講した「IBM AI Workshop」を、企業顧客の役員層向け教育プログラムとしても展開を開始している。

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この記事の著者

京部康男 (編集部)(キョウベヤスオ)

ライター兼エディター。翔泳社EnterpriseZineには業務委託として関わる。翔泳社在籍時には各種イベントの立ち上げやメディア、書籍、イベントに関わってきた。現在はフリーランスとして、エンタープライズIT、行政情報IT関連、企業のWeb記事作成、企業出版支援などを行う。Mail : k...

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