6月23日、シマンテックにて行われた発表会では、5月18日に同社代表取締役に就任したばかりの河村浩明氏が挨拶を行った。
ITをめぐる2つのトレンドとして河村氏は、「ITのコンシューマー化」と「クラウド」を挙げたうえで、「セキュリティをどう担保するか」「膨大なサーバー・ストレージをどう運用していくか」の2点を課題であると指摘。
セキュリティに関しては、同社によるベリサインの買収が記憶に新しいが、今回の発表ではサーバー・ストレージの運用に焦点をあてたものとなった。
同社プロダクトマーケティング部 朝倉英夫氏によれば、現在、企業におけるデータの約95%までが、データベースに格納されるタイプの構造化データとは異なる、電子メール等の非構造化データであり、この非構造化データは年々増え続ける一方だという。
また、調査会社IDC Japanの2009年8月調べでは、2008年から2013年の5年間、年平均成長率(CAGR)72.3%で増加し、2013年には2008年の約15倍の約3144.6 PB (ペタバイトPetaByte, 2の50乗バイト)になると予想されている
このような状況の下、導入、運用負荷が低いアプライアンス・ソフトウェアとして提供されるのが、FileStore搭載のスケーラブルなアプライアンスである。
シマンテックのFileStoreは、拡張性、可用性に優れたスケールアウト型NAS制御ソフトウェアで、CFS (Cluster File System)による高可用サービスを実現しながら、フルActive-Activeで現在16ノードまでスケールアウトすることが可能。
富士通株式会社 ストレージシステム事業本部 本部長代理の松島等氏によれば、「大規模向けのNASソリューションではカバーしきれないスケールアウト型の領域を補完することができる」という。
今回の協業では、富士通PCサーバPRIMERGYとストレージシステムETERNUSに搭載する、アプライアンス・ソフトウェアの形で、7月26日より日本の企業、研究所などに提供される予定。