Snowflakeは米国時間6月1日から6月4日にかけて、米国サンフランシスコにて年次カンファレンス「Snowflake Summit 26」を開催している。1日目の基調講演には、Snowflake CEOのShridhar Ramaswamy氏をはじめ、Accenture 会長 兼 CEOのJulie Sweet氏、同社 最高戦略・サービス責任者のManish Sharma氏、Sanofi 最高デジタル責任者のEmmanuel Frenehard氏、そしてAnthropicのプレジデント 兼 共同創業者であるDaniela Amodei氏らが登場し、会場は盛り上がりを見せた。
Ramaswamy氏は冒頭、世界中から2万人以上の参加者が集まり、350以上の組織から700名近くの講演者が参加する同カンファレンスの規模に触れたうえで、AIがもたらすビジネス環境の変化について語った。「業務はAIエージェントと協力する形へ変化しており、将来的にはこれらのエージェントが企業全体で継続的かつ自律的に稼働する『Agentic Enterprise』の時代が到来する」とし、これを実現するためには、大きく以下4つの構成要素が必要であると強調する。
- 顧客データや財務データ、製品情報など、その企業固有のビジネスを形成するデータとコンテキスト
- 1のデータを解釈し、推論を行って有意義なインサイトを提供するLLMなどのAIモデル
- 従業員が日常業務で使用している電子メールや社内システムなどの様々なアプリケーション
- データ、モデル、アプリケーションすべてを結びつけ、全体を調整するコントロールプレーン
Snowflakeは4つ目に挙げたコントロールプレーンを構成する製品として、ナレッジワーカー向けのパーソナルAIエージェント「Snowflake Intelligence」と、開発者向けのコーディングエージェント「Snowflake Cortex Code(以下、Cortex Code)」を提供する。Ramaswamy氏は「企業がAIを本格的に導入するうえで直面する最大の課題はデータにある」として、多くの企業においてデータが複数のシステムやクラウド環境に分散し、異なる形式で保存されているデータサイロの問題が存在することを強調した。
こうした課題に対し、同社はプラットフォームの設計段階からガバナンス・セキュリティ・コンプライアンスを組み込んでおり、ユーザーはCortex Codeによる自動化を通じて、データ移行やデータパイプラインの構築などの複雑なエンジニアリング作業を短期間で完了させられることを示した。
続いてAccenture 会長 兼 CEOのSweet氏のビデオメッセージの後、同社 最高戦略・サービス責任者のSharma氏が登壇した。
Sharma氏は、同社が支援する顧客の85%がデータ管理に関する課題を抱えていると指摘し、「AI自体の性能よりも、基盤となるデータとプロセスの整備が重要である」と述べる。実際の成果として、欧州の公益事業会社で数週間かかっていたデータ照会作業が2秒に短縮され、計算時間を85%削減した事例や、米国製造業において断片化した多数のシステムから単一の信頼できる情報源を構築し、意思決定の速度を向上させた事例などが紹介された。
次に登壇したSanofiのFrenehard氏は、データサイロの解消とAIを前提とした企業体制への移行について語った。同氏は「医薬品の研究開発においてデータの連続性は不可欠だ」とし、数年前からSnowflakeを導入してデータ基盤を構築してきたという。
以前はデータの移動やダッシュボードの作成に多くの工数を割いていたが、現在ではシステム間の摩擦をなくし、データレイク上で直接AIワークフローを稼働させているという。これにより、年間約3兆3486億円超もの調達予算削減や、人事・ITサポート・営業活動の効率化を進めているとした。
基調講演の終盤には、AIモデルを提供するAnthropicの社長 兼 共同創業者であるAmodei氏が登壇。同氏はAIの未来について、今後もスケーリング則に基づく進化が続くと予測する一方、企業が安心してAIを活用するためには安全性と信頼性が不可欠だと指摘する。「企業が求めるのは予測可能で信頼できるAIである」とし、この信頼関係の構築がイノベーションを加速させる要因になると強調した。
SnowflakeとAnthropicは、ガバナンスが確保された企業データへのAIの適用をはじめ、ナレッジワーカーによるデータ活用と意思決定の支援、開発者の生産性向上、本番運用向けAIエージェントの構築、調達プロセスの簡素化など、多岐にわたる分野で連携を強化している。また両社は、エンタープライズ水準のセキュリティ・ガバナンス・責任あるAIの活用に対しても共通の指針を持っており、組織が脆弱性を特定・評価・修復できるように支援する「Claude Code Security」に関する新機能の開発にも取り組んでいるとのことだ。
Ramaswamy氏は最後に、「あらゆる企業が自社のデータとAIモデル、そして各種アプリケーションを統合し、ガバナンスやセキュリティ、コンプライアンスに対する懸念を抱くことなくAIを活用できる環境を提供することが同社の役割である」と総括し、1日目の基調講演を締めくくった。
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