Dynatraceは6月10日、日本市場におけるFY27 事業戦略説明会を開催した。
冒頭に登壇した同社 代表執行役社長 徳永信二氏は日本企業が抱えるIT運用の課題に言及し、大きく以下3つを挙げる。
- システムの複雑化
- 業務の部分最適によるサイロ化
- 担い手の人材不足
このような課題を踏まえ、同氏は「人による分析や運用は限界を迎えている」とし、人が本当に行うべき業務と自動化できる業務を整理することの重要性を指摘。「データの分析や問題の切り分けはDynatraceで自動化し、人間は判断に注力することで、AIのアウトプットを説明できる状態にする」ことが、同社の目指すシステム運用の姿だとした。
具体的に同社が考えるIT運用の将来として徳永氏は下図を示す。現在目指すべきは「監督付き自律型運用」のフェーズだとして、これをDynatrace Intelligenceにより実現していくビジョンを示した。
こうした状況を踏まえ、今後1~2年はいまだ多くの企業が行っている「従来の運用」を「AI駆動型自動化」へシフトし、2~3年後には「AI駆動型自動化」を「監督付き自律型運用」へ移行させる目標を掲げる。具体的なアクションについては、以下3つの柱で推進していくとのことだ。
- 段階を分けた業界への提案:金融、製造、デジタル業界への展開・浸透に注力しつつ、旅客/運輸、流通/小売、エネルギーユーティリティ業界も開拓していく
- 大規模案件に注力:強みを活かした統合オブザーバビリティ導入に集中
- エコシステム強化:ITSMなどの主要プレーヤーやハイパースケーラーとの連携、実装・構築支援パートナーとの協業を強める
続いて登壇した同社 執行役員ソリューション技術本部長の黒岩宣隆氏は、システム運用を自律型へと導く製品戦略とソリューション「Dynatrace Intelligence」の詳細を説明した。
同ソリューションは、従来の強みである根本原因分析を行う因果AIに加えて、復旧計画から実際の対応までを自律的に担う様々なAIエージェントで構成されるプラットフォーム。自律型運用を実現するためには、前段階の根本原因分析において正確な答えが必要不可欠だと同氏は述べる。Dynatraceはログやトレースなどのデータだけでなく、サービス間の接続関係を示す実データを自動付与し、統合された単一のデータレイヤーに蓄積する。
これにより、相関関係による確率論的な解析ではなく、事実に基づいた因果関係による決定論的な解析が可能となり、根本原因を高精度に導き出せるとした。この基盤の上で、自然言語で対話できる「Assist Agents」や、SREをはじめとしたドメイン特化型の「Domain Agents」、AIエージェントのオーケストレーションを担う「Operator Agent」などが機能するという。
また、エコシステム連携の具体的な例として、ServiceNow、AWS DevOps Agent、GitHub Copilotの3つが紹介された。同社は、このように主要なパートナー企業との連携強化に加え、新たな運用フェーズへと移行する顧客を支えるための導入支援体制や顧客サポートの構築、ハイパースケーラーとの共同提案といったエコシステムを拡充させることで、顧客ニーズに応えていく姿勢を示した。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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