発表をおこなったのは、専務執行役員のヴィヴェック・マハジャン氏。初めに、2012年に発表した各分野である、ビッグデータ、ソーシャルビジネス、セキュリティ、モバイルがそれぞれ順調に市場に受け入れられていると述べた。
また、昨年のIBMの企業買収戦略について言及し、「ERPやCRMはすでにコモディティ化しているのでやらない。われわれが手がけるのはあくまでニューテクノロジーの分野」として、メガベンダの買収ではなく、モバイル、マーケティング、コマースの各分野の特化して企業を買収したこと、それらがいずれも順調に、IBMの戦略の中で統合されつつあることを語った。
2013年の注力分野としては、(1)PureSystemとMobile Enterpriseによる柔軟で俊敏なIT基盤、(2)Smarter Commerceおよびビッグデータ活用 (3)セキュリティ、の3分野をあげる。中でも、昨年半ばに発表されたPureSystemについては、「事例として名前を明かせる段階ではないが、製造、金融などの分野で導入され、確実に評価を得ることが出来た」という。PureSystemについては、IBMの数十年の知見をパターン化したもので、他社の一体化マシンとの違いを強調した。今年度は、そのパターンとラインアップを拡充し、企業データセンターやプライベート基盤の標準をめざすという。
ビッグデータ分野に関しても、引き続きビジネス・アナリティクスを成長させるとし、「BAソフトウェアはいずれERPなどより大きな市場を形成する。そのための製品ポートフォリオをつくる」と述べた。
またビジネス・パートナーを全国に拡大するとし、地方を含め、中堅・中小企業のお客様の支援強化のための中堅企業およびパートナー担当営業を増員するとともに、パートナーが”ミニIBM”として、製品ラインアップを提供できるトレーニング・プログラムを提供するという。
従来、直販中心だったDB2などの製品も、顧客が既存の製品の代替として選択肢を持てるようにする。「SIerまかせではなく、お客様が製品を指名する時代になった」と語り、中堅企業分野に対して、パートナーとの協業によりこれまで以上に強化すると述べ、「そのための営業、技術者などの人材リソースも、地方パートナー支援として投入していく」と語った。