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8割が新規システム構築時にクラウドを検討、国内クラウド市場は2015年度に1兆円へ―MM総研調査

 この調査では、クラウド市場をパブリッククラウド(SaaSおよびIaaS/PaaS)とプライベートクラウド(ホステッド、オンプレミスおよびコミュニティ)に分類した。

 事前調査として、国内法人ユーザーを対象にWebアンケートを実施し、3,099法人にアンケート回答を求め、その中から実際にクラウドサービスを導入済、あるいは検討している1,259法人を対象に調査を実施した。

出典:MM総研

 発表された調査結果の概要は次のとおり。

国内クラウド市場は2015年度に1兆円超に

 2013年度のクラウド市場全体では、前年度比22.6%増の6,257億円となった。2018年度までの年平均成長率は23.6%で、2015年度には1兆円を超え、2018年度には2013年度比2.9倍の1兆8,081億円に達すると予測。

 パブリッククラウド(SaaSおよびIaaS/PaaS)は、2013年度1,869億円で前年度比34.2%増。IaaS/PaaSの急成長を背景に、パブリッククラウドは2018年度まで年平均21.2%で成長し、2013年度比2.6倍の4,882億円に達すると予測。

 プライベートクラウド(ホステッド、オンプレミスおよびコミュニティ)は、2013年度4,388億円で前年度比18.3%増。2013年度~2018年度までの年平均成長率は24.6%で推移し、コミュニティクラウドやホステッド・プライベートクラウドの拡大により2017年度に1兆円を超え、2018年度には2013年度比3.0倍の1兆3,199億円になると予測。

 クラウド市場におけるプライベートクラウドの比率は2013年度70.1%を占めるが、2018年度には73.0%と緩やかにシェアを高め、引き続きクラウド市場を牽引する傾向が見られるという。

8割の企業が新規システムの構築時にクラウドを検討

 クラウドサービスの急成長の背景には、国内の法人ユーザーの意識の変化があるとし、新規システム構築時にクラウドの活用検討する法人ユーザーは、2013年調査時の69.1%から78.1%へ9ポイント増加し、「クラウドファースト」が浸透してきているとしている。

 原則的にプライベートクラウドやパブリッククラウドを利用する割合は40.5%(2013年調査時35.0%)、クラウドを検討に入れる割合は37.6%(同34.1%)となった。今後は、非クラウド環境のオンプレミス型についてもクラウドのメリットを積極的に勘案してクラウド側へシステムを移行していく企業が増加すると推測している。

セキュリティに対する不安や運用コストなどがクラウドの利用障壁に

 パブリッククラウド(SaaSおよびIaaS/PaaS)を利用しない企業の理由は「情報漏えいなどのセキュリティが心配」が最も多く3割を超え、セキュリティへの不安が利用障壁となっている。

 次いで「運用コストが高くなってしまう」、「既存システムとの一体的な運用が難しい」と続き、運用面の不安が上位を占めた。既存システムとの連携など、情報システム基盤として本格的な活用を検討するユーザーが増える中、クラウドの運用効率化が課題になっているという。

IaaS/PaaSでは3社に1社がAmazonを利用・検討、プライベートクラウドはNTTコムが最多

 パブリッククラウドのIaaS/PaaSを利用・検討している法人ユーザー(n=701)が選ぶサービスは「Amazon Web Services」が33.7%と最も多く、概ね3社に1社に上るという。ホステッド・プライベートクラウド(n=695)では「Bizホスティング Enterprise Cloud」(NTTコミュニケーションズ)が19.0%と最多で、Amazon、NTTコミュニケーションズともに2013年調査時の利用・検討率を大きく上回る結果となった。

 また、オンプレミス・プライベートクラウドの構築サービスを利用・検討している法人ユーザー(n=659)では、ベンダーとして「IBM」(18.7%)が最も多く挙げられた。

 AmazonがIaaS/PaaSで圧倒的なシェアを獲得する一方、NTTコミュニケーションズやIBM、2位以下で名前が挙がる富士通などは安価なパブリッククラウドから高品質なプライベートクラウドの構築サービスまで幅広いラインアップを持つ強みを活かし、顧客からクラウドの各分野で支持を得ている。

 なお、この調査の詳細な分析を加えたレポート「国内クラウドサービス需要動向(2014年版)」として刊行されている。

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