これによると、企業のIT投資において事業部門が主導するプロジェクトが増える傾向がみられるが、モビリティソリューションにおいてはIT部門や事業部門以上に、本社部門や経営/管理部門が投資の意思決定上の主導権を握っていることが分かった。
調査によると、モビリティソリューションへの投資目的について、「従業員の生産性の向上(50.1%)」に次いで、「販売や売上額の増加(23.2%)」を挙げる企業が多くみられた。モビリティソリューションを活用して業績向上を図ろうとする企業が少なくないことがうかがわれるという。
他方、より具体的に業績に結びつく手立てとしての「商談の効率化/販売プロセスの短縮(12.3%)」や「自社製品/サービスの顧客満足度の向上(4.7%)」を挙げる企業は少ないことが分かった。
現段階では、「従業員の社内情報への簡便なアクセス提供(22.0%)」「ペーパーワークの削減(18.9%)」「従業員のワークスタイルの自由度拡大(13.3%)」といったものの方が、投資目的として強く意識されている。
モビリティソリューション関連投資の意思決定主導者については、「事業部門(15.0%)」「事業部門とIT部門との共同(14.1%)」と事業部門の関与度が高く、「IT部門」との回答は25.1%にとどまる。
一方、「本社部門や経営/管理部門(35.0%)」が意思決定上の主導権を握っている企業が3分の1以上と多いことは特徴的。トップダウンで導入が推進される場合や、投資対効果の不明確性から財務/管理部門などによって予算管理されているケースも多いと推測される。本社部門や経営/管理部門が主導権を握るプロジェクトにおいては、短期的かつ定量的に評価できる成果を求められやすいと考えられる。
なお、今回の発表はIDCが発行したレポート「2015年 国内エンタープライズモビリティ市場 ユーザー動向分析調査」にその詳細が報告されている。