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2014年の国内セキュリティ市場、製品が2,564億円、サービスが6,457億円――IDCが発表

 今回の発表では、国内情報セキュリティ市場に含まれる、セキュリティソフトウェア/SaaS、セキュリティアプライアンス、およびセキュリティサービスの各市場についての2014年の実績と2015年~2019年の予測について、次のように概要がまとめられている。

2019年のセキュリティソフトウェア市場は2,638億円に

 2014年の国内情報セキュリティ市場において、SaaS型セキュリティソフトウェアを含むソフトウェア製品とアプライアンス製品を合わせたセキュリティ製品市場規模は2,564億円、前年比成長率が3.5%だった。

 また、コンサルティングやシステム構築、運用管理、教育/トレーニングサービスを含むセキュリティサービスの市場規模は6,457億円、前年比成長率は6.9%だった。

 2014年のセキュリティソフトウェア市場は、サーバー統合/システム統合による業務システムのリプレイスに伴うアイデンティティ/アクセス管理への需要拡大と、スマートフォンやタブレットの普及によるモバイルデバイスからのリモートアクセスと認証ソリューションへのニーズの高まった。

 そして標的型サイバー攻撃への対策需要によって、エンドポイントセキュリティとアイデンティティ/アクセス管理が市場をけん引し、前年比成長率は4.1%で、市場規模は2,151億円であった。

 IDCでは、2015年以降は、法規制によってサイバーセキュリティ対策やマイナンバーなどの個人情報保護対策の強化が求められ、同市場への需要が拡大するとみている。

 また、クラウドサービスやモバイル端末の利用拡大、標的型サイバー攻撃の増加によって、セキュリティソフトウェア全体に対してニーズが高まると考えられる。

 このことから同市場の2014年~2019年における年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は4.2%で、2019年には2,638億円に拡大すると予測している。

 2014年のセキュリティアプライアンス市場は、標的型サイバー攻撃対策としてニーズが高いIDS/IPS(Intrusion Detection System/Intrusion Prevention System)やアプリケーション層まで制御する次世代型ファイアウォールを含むUTM(Unified Threat Management)が堅調だったが、それ以外のアプライアンス製品が軟調であったため、市場規模は前年比0.4%増の414億円で横ばい。

 2015年以降も、標的型サイバー攻撃への対策需要は継続して高く、多層防御を備えたUTM製品やIDS/IPS製品が市場をけん引するとみている。全体の市場規模は、2014年~2019年のCAGR4.5%で、2019年には516億円に拡大すると予測している。

参考資料:国内セキュリティ製品市場 セグメント別売上予測、2014年~2019年(作成:IDC Japan)  

セキュリティサービス市場は、2019年には8,202億円に

 2014年のセキュリティサービス市場規模は、前年比6.9%増の6,457億円。クラウド、モビリティ、ソーシャル技術といった「第3のプラットフォーム」に最適化されたセキュリティシステムが求められるため、コンサルティングサービスからシステム構築、運用管理に至るセキュリティサービス全般に対する需要が高まっている。

 また、2015年からはサイバーセキュリティ基本法によって、重要インフラ産業での標的型サイバー攻撃対策強化が求められることから、フォレンジックサービスやマネージドセキュリティサービスなど専門知識を有するサービスへのニーズが高まると考えられる。

 市場全体の2014年~2019年のCAGRは4.9%で、2019年には8,202億円に拡大すると予測している。

 特定の企業や団体を狙う標的型サイバー攻撃は、未知の脆弱性を狙った先進的なマルウェアや特定のシステム向けに開発したカスタムマルウェアを利用するなど巧妙化が進み、セキュリティ脅威も潜在化することで、引き起こされるセキュリティインシデントは、表面化した時点では企業活動に致命的な影響を及ぼすような重大な事案となるケースが増えている。

 

 なお、今回の発表内容は、IDCが発行した「国内情報セキュリティ市場2014年の分析と2015年~2019年の予測:ソフトウェア/SaaS、アプライアンス、サービス」に詳細が掲載されている。

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