2014年の国内シンクライアント専用端末市場のベンダーシェアは、1位がHP、次いで日立、デル、富士通、レノボが上位5社となった。HP、日立、デルの上位3社の実績が突出しており、4位以下のベンダーを引き離している。
産業分野別出荷台数シェアは、金融が14.6%、教育/自治体が18.8%、ヘルスケアが16.0%、小売が4.3%、その他(製造/情報サービス/通信など)が46.4%という傾向で、特にヘルスケアへの割合が、昨年より高くなっている。また、ゼロクライアントの割合は2013年の12.8%から2014年は22.0%へと高まっている。
2014年の国内クライアント仮想化ソフトウェア市場の上位3社は、マイクロソフト、シトリックス、ヴイエムウェアだった。マイクロソフトは50%以上のシェアを維持し、上位3社は寡占状態にあり、その優位性は今後も変わらないと考えられる。
その背景として、3社によるクライアント仮想化関連ベンダーの買収、ライセンス施策などを含め、クライアント仮想化を推進するシステムインテグレーターやチャネルに対する拡販施策などが挙げられる。
2014年の国内クライアント仮想化ソリューション(オンプレミス)市場のベンダーシェアは、1位から富士通、日立、 NECの順で、IBM、HPの2社が追従している。
2014年の国内クライアント仮想化サービス(DaaS)市場のベンダーシェアは、1位が富士通で、NSSOL、日立が続いている。富士通、日立は主にプライベートクラウドDaaS、NSSOLはバーチャルプライベートクラウドDaaSにおいて、それぞれ高いシェアを獲得している。
国内クライアント仮想化ソリューション(オンプレミス)市場、国内クライアント仮想化サービス(DaaS)市場は、参入障壁が低いため、今後も多くのシステムインテグレーターやソリューションベンダーが参入する可能性が高いといえる。
IDC JapanのPC,携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストの渋谷寛氏は、「今回分析した4つの市場におけるプライマリーITベンダーは固定化されつつある。クライアント仮想化ソフトウェアベンダーを中心に出来上がったオンプレミス及びDaaSのエコシステムも完成しつつある。今後は、モバイル製品、エンドポイント製品などを包含したワークスペース市場へと焦点が移ると考えられる」と述べている。
今回の発表について詳細は、IDCが発行した「2015年 国内クライアント仮想化市場 ベンダー競合分析 」にまとめられている。