外付型はメインフレーム向けとオープンシステム向けが共にプラス成長
IDCでは、エンタープライズストレージシステムとして外付型、サーバー内蔵型、ODM Directをカウントしている。外付型とODMはプラス成長だったが、内蔵型がマイナス成長となり、全体でも前年同期比でマイナス成長となった。
2015年第3四半期の国内エンタープライズストレージシステム売上額631億1,900万円の内訳は、外付型が466億5,800万円(構成比73.9%)、サーバー内蔵型が131億5,900万円(同20.8%)、ODM Directは33億200万円(同5.2%)だった。
ODM Directはまだ規模は小さいが、グローバルクラウドサービスプロバイダーの国内拠点のほか、国内クラウドサービスプロバイダーでも導入が進みつつある。
2015年第3四半期の国内外付型エンタープライズストレージシステム売上額は466億5,800万円で前年同期比1.2%増となった。外付型エンタープライズストレージシステムのセグメント別内訳は、メインフレーム向けが61億900万円(前年同期比1.3%増)、UNIX、Windows、Linuxなどのオープンシステムおよびその他OS向けが405億4,900万円(同1.2%増)であった。
メインフレーム向けは、2015年第1四半期、第2四半期で官公庁と金融で大型更新案件の影響で2期連続2桁成長となったが、第3四半期も金融などで大型案件があった。オープンシステム/その他OS向けは、サーバー仮想化やVDI(Virtual Desktop Infrastructure)などの仮想化環境向けやクラウドインフラ向けで需要拡大が続いている。
オールフラッシュアレイが本格的な成長へ
また、オープンシステム/その他OS向けでは、新興ベンダーだけでなく、大手ベンダーが相次いで参入したことで、フラッシュデバイスのみを搭載したオールフラッシュストレージが本格的な成長を始めている。
2015年第3四半期の国内外付型エンタープライズストレージシステムのクラス別売上額は、ハイエンド(システム価格3,000万円以上)が133億3,700万円で前年同期比9.9%増、ミッドレンジ(同500万円~3,000万円未満)が 162億300万円で同4.6%減、ローエンド(同500万円未満)が171億1,800万円で同0.9%増となった。
ハイエンドの高成長には、メインフレーム向けの成長と共にオープンシステム向けでの更改案件が寄与した。 2015年第3四半期の国内外付型エンタープライズストレージシステム出荷額(Vendor Revenue)は443億7,600万 円で、サプライヤー別出荷額の上位5社は日立製作所(シェア19.1%)、EMC(15.1%)、富士通(13.2%)、NEC(9.8%)、IBM(9.3%)であった。
IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ/IPDS/PCs グループディレクターの森山正秋氏は、「2015年第3四半期はオールフラッシュアレイが高成長を記録するなど、国内企業のストレージインフラに対する支出パ ターンの変化が見られた。サプライヤーはこうした変化に対応した製品戦略やパートナー戦略の強化が求められる」と述べている。
なお、エンタープライズストレージシステム市場規模の算出には、ベンダー出荷額(Vendor Revenue)にマージンを加算した売上額(Value)を使用している。
今回の発表について詳細は、IDCが発行する「国内ディスクストレージシステム市場 2015年第3四半期の分析」にまとめられている。