2016年の国内第3のプラットフォーム市場は前年比7.0%増でIT・ICT市場より高成長
2016年の国内第3のプラットフォーム市場は、前年比成長率7.0%となり、国内IT市場(1.4%)、国内ICT市場(0.4%)よりも高い成長率を予測している。産業分野別にみると、オムニチャネル戦略に注力している小売業界、製造現場での活用が顕著な組立製造業などの成長率が顕著だ。企業規模別では、円安効果で業績を伸ばした大企業を中心に成長率が高くなる見込み。
今後、第3のプラットフォーム市場は企業向け市場を中心に成長し、2014年~2019年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は5.0%と、国内IT市場のCAGR(1.1%)、国内ICT市場のCAGR(マイナス0.1%)を大きく上回り、2019年には約9兆9,758億円に達する。予測期間前半では、すでに一般消費者に行き渡ったモビリティをベースに、クラウド、ソーシャル市場を取り込んで成長し、後半にはビッグデータ市場の成長も誘発する。
予測期間前半は大企業が中心となり、後半は中堅中小企業でも活用
第3のプラットフォームの事業戦略への活用については、予測期間前半は大企業が中心となり、後半は中堅中小企業でも活用するケースが増えていく。一方で、「IDC MaturityScape Benchmark:国内デジタルトランスフォーメーション市場」(2016年1月発行)で指摘したように、国内企業の6割以上が、第3のプラットフォームによる事業戦略の全社展開にはまだ時間がかかる見込みであり、企業の中でも成長志向の高い部署を見極める必要がある。
例えば小売業界、銀行業界などにおけるオムニチャネル戦略関連部署や、製造業におけるマーケティング部署等、モビリティを活用する一般消費者向けに製品/サービスを提供する分野での成長は顕著であるとみている。
IDC Japan ITスペンディング グループマ ネージャーの廣瀬弥生氏は、「ITベンダーは、第3のプラットフォーム活用のカギを握る大企業に対して、投資が進む見込みのある業種に着目するばかりでなく、社内で活用が進む部署にも着目し、モデルケースとなる実績を作ることにより、全社的な展開に結び付けていくべきである」と述べている。
今回の発表について詳細は、IDCが発行したレポート「国内第3のプラットフォーム市場 産業分野別予測、2016年~2019年」にまとめられている。