2016年1月から順次交付されている個人番号カードには、申請時の希望により、ICカード内に公的個人認証サービスの電子証明書が格納される。従来、この電子証明書は、e-Taxなどの行政手続きでの利用に限定されていたが、2016年以降、総務大臣認定を取得することにより民間での活用が可能になった。
犯罪による収益の移転防止に関する法律(犯罪収益移転防止法)などの改正により、公的個人認証の電子証明書を銀行口座開設時の電子的な本人確認に利用できるようになるなど、IT化が進む社会における企業での利活用が大きく期待されているという。
主な活用分野として、上記の銀行口座や証券口座の開設、クレジットカードの申込み、保険契約、携帯電話契約等の本人確認などに加え、住所変更確認や年齢確認、生存確認なども行えることから、電子商取引における安心、安全、健全な取引などにも広がると考えられる。
サイバートラストが提供するオンライン本人確認プラットフォームサービスでは、公的個人認証サービスを用いて、また独自の機能も含めて次の機能を提供する。
・本人確認機能:これまで電子的には困難で本人確認書類の郵送に頼らざるを得なかった「本人が実在していること(実在性)」と「正しくその本人であること(同一性)」をオンラインで確実に確認する機能。
・住所確認機能:利用者の同意に基づき、該当する利用者の住所を確認し、住所変更の有無を確認する機能。従来は、ハガキなどの郵送により確認するケースがあったが、不達や転居後の別人に配達されるなど、確実な住所確認ができなかった。また、電子商取引の分野では空き家を受け取り場所にした詐欺などの社会的な課題の解決にも応用できる。
・年齢確認機能:利用者の同意に基づき、該当する利用者の年齢が指定年齢以上であることを確認する機能。特に電子商取引での酒類やたばこ、年齢制限のあるコンテンツなどの販売時に年齢確認が可能になり、健全な電子商取引環境を整備できる。
・生存確認機能:利用者の同意に基づき、該当する利用者が生存し、または海外転出しているか否かを確認する機能。オンラインコンテンツの所有権の有無および維持管理に関わる課題などへの応用が考えられる。
・電子会員証発行機能:企業が会員向けに、自社オリジナルの電子的な会員証を発行するための機能。電子商取引における会員資格の確認や安全なログインなどに利用できる。各種PCやスマートフォン、タブレットに対応する予定。