導入目的は「セキュリティ対策」「運用管理効率化」「システム可用性向上」の順
クライアント仮想化導入目的の上位3項目は、「セキュリティ対策」(41.4%)、「運用管理効率化」(33.8%)、「システム可用性向上」(28.9%)が定着している。また、「ワークスタイル変革(在宅勤務、テレワークなど)への対応」「内部統制」「ビジネスモビリティ(モバイル環境でのIT活用)」など、難易度の高いビジネス課題の解決策として、クライアント仮想化は選択肢の1つとして挙げられている。
導入障壁/阻害要因の上位3項目は、「初期導入コスト」「移行作業」「仕様選定」が定着している。ITサプライヤーのエバンジェリスト/コンサルタント、ユーザー企業のCIO/業務推進役に導入障壁を払拭する役割が期待されている。ユーザー企業における啓発者/推進役の有無が、導入決定において重要な役割を果たすとIDCではみている。
「エンドポイントにおける仮想化技術はワークスペースへと変容しつつある」
今回の調査では、クライアント仮想化第4世代のワークスペース(仮想デスクトップをベースにモバイル、Web、認証、次世代セキュリティ、コンテナを包含し、仮想アプリケーション、Webアプリケーション、クラウドアプリケーション、モバイルアプリケーション、ハイブリッドアプリケーションなどが混在した形態)を導入済みの企業は13.1%、導入意向の割合は、41.6%と非常に高く、経営層/IT管理者/エンドユーザーそれぞれの役割別に関わらず、利用意向が高くなっていることがわかった(参考資料)。
エンドポイントにおけるIT施策の1つとして、自社業務に適合したワークスペース戦略を検討する時期に来ているといえる。特に、ワークスペースにおけるセキュリティに対する取り組みは、ガバナンス/コンプライアンスの観点で最重要課題となっている。
IDC Japan PC,携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストの渋谷寛氏は、「エンドポイントにおける仮想化技術はワークスペースへと変容しつつある。ITサプライヤー、ユーザー企業共に、これを契機にワークスペースを企業IT戦略の要として真剣に検討する時期が到来している。Web/クラウド/認証/モバイルのそれぞれの技術とクライアント仮想化の統合は今後の課題となる」と述べている。
今回の発表は、IDCが発行したレポート「2016年 国内クライアント仮想化市場ユーザー動向調査」にその詳細が報告されている。