パブリッククラウド接続では「インターネットを多く利用する」が6割
今回の調査では特に、「ハイブリッドIT/クラウド化の進展」「クラウド時代のネットワーク」「モビリティ活用の広がり」「第3のプラットフォームとIoTをテーマに、企業のIT管理者を対象にアンケート調査を行い、国内913の企業から回答を得た。
この調査から、WAN(Wide Area Network)を構築している企業のうちクラウド導入に伴いWANの見直しを行った企業は66.9%にのぼり、多くの企業においてクラウド導入がWAN見直しの契機になっていることが明らかになった。WANの見直しの目的としては、セキュリティ/ガバナンスの向上、トラフィック容量の拡大、ネットワークパフォーマンスの向上などが挙げられている。
また、パブリッククラウドと企業拠点の接続では「インターネットを多く利用する」と答えた企業が60.3%で、「閉域網を多く利用する」(18.0%)、「拠点/サービスなどによって使い分ける」(18.0%)を大幅に上回った。
近年、パブリッククラウドへの接続において、ネットワークのセキュリティや品質を確保するなどの目的で、閉域網接続ソリューションが多く提供されるようになっている。しかし、依然としてインターネットを主に利用する企業が多数派であることが分かった。
第3のプラットフォームでシステムが複雑かつ相互接続されるとの認識
さらに別の設問で、第3のプラットフォームで協業するITベンダーにどのような能力を求めるかを尋ねたところ、「セキュリティ設計/導入の高度な能力」「プラットフォームの構築技術」「複雑なシステムをインテグレーションする能力」がトップ3項目となり、「アプリケーション開発力」「業界/コミュニティでの影響力や業務知識」「UI(User Interface)やUX(User Experience)の設計力」などを上回った。
IDC Japan コミュニケーションズ シニアマーケットアナリストの小野陽子氏は、「本調査から、企業のIT管理者は第3のプラットフォームでパートナーシップを組むITベンダーに対して、アプリケーションに加えて、セキュリティ、プラットフォーム、インテグレーションの能力を求めていることが明らかになった。これは、企業のIT管理者が、異なるシステムをハイブリッドに接続することが重要になるとの認識を持っており、またそのような複雑なシステムの構築や運用を自社で行うのは難しいと考えていることを裏付けるものである」と分析している。
今回の発表は、IDCが発行したレポート「2016年 国内マネージドICTおよびネットワークサービス市場 企業ユーザー調査」にその詳細が報告されている。