2016年は前年比成長率5.8%でIT市場、ICT市場よりも高い成長率を予測
2016年の国内第3のプラットフォーム市場は、前年比成長率5.8%となり、国内IT市場(マイナス0.4%)、国内ICT市場(マイナス0.6%)よりも高い成長率を予測している。産業分野別に見ると、オムニチャネル戦略に注力している小売業界、顧客サービス向け活用が見込まれる金融業界、製造現場での活用が顕著な組立製造業などの成長率が顕著だ。企業規模別では、大企業を中心に成長率が高くなる見込みだ。
今後、第3のプラットフォーム市場は、企業向け市場を中心に成長し、2015年~2020年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は3.8%と国内IT市場のCAGR(0.8%)、国内ICT市場のCAGR(マイナス0.3%)を大きく上回り、2020年には13兆9,341億円に達する。
予測期間前半は大企業が中心となり、後半は中堅中小企業でも活用が増加か
予測期間前半では、既に一般消費者に行き渡ったモビリティをベースにクラウド、ソーシャル市場を取り込んで成長し、後半にはビッグデータ市場の成長も誘発する。産業分野別では、電力・ガス自由化や2020年の東京オリンピック/パラリンピック開催に伴い、予測期間後半に向けて公共/公益、及び官公庁、自治体分野で成長が顕著になる。
第3のプラットフォームの事業戦略への活用については、予測期間前半は大企業が中心となり、後半は中堅中小企業でも活用するケースが増えていく。しかし、第3のプラットフォームへの支出がデジタルトランスフォーメーション(DX)に見られる企業変革を生み、より大きな投資対効果を生み出すことかどうかは、企業の組織構造や文化も同時に変革できるかにかかっている。
IDC Japan ITスペンディング グループマネージャーの廣瀬弥生氏は、「ITベンダーは、第3のプラットフォーム活用の鍵を握る大企業に対して、とかくサイロ化しがちな各部署(開発/設計部門、マーケティング、製造ライン、保守部門など)をつなぎ、顧客中心型ビジネスの実現に向けてより効果的な連携を促すべきである」と分析している。
今回の発表は、IDCが発行したレポート「国内第3のプラットフォーム市場 産業分野別予測アップデート、2016年~2020年」にその詳細が報告されている。このレポートでは、国内の産業分野を21種類、企業規模を5種類に分類し、第3のプラットフォーム支出額実績(2015年)と予測(2016年~2020年)を提供している。