デージーネットでは、PowerDNSを利用したDNSサーバ構築の経験などを生かして、PowerDNSの構築やシステム保守サポート、コンサルティングなど、PowerDNSの商用サポートを行っていくという。
現在、DNSサーバとして広く利用されているソフトウェアはBINDだが、BINDのセキュリティ脆弱性が頻繁に発見されるようになり、その対策として、システム管理者は、頻繁にソフトウェアのバージョンアップを実施する必要が出てきた。
その際、DNSサーバの再起動が必要になり、サービスへの影響も少なくないという。そのため、DNSサーバのメンテナンスにおいてシステム管理者の負担が大きくなっているという。
そのような課題を解決するために、BINDに替わる権威DNSサーバのOSSとして注目されているPowerDNSの商用サポートを開始することにしたとしている。
PowerDNSは、BINDより高速で、手軽な管理ができるという面で優れているという。デージーネットでは、PowerDNSに関して、ベンチマークを行い性能を確認した。1秒あたりのクエリ数は、BINDが49,000qpsに対し、PowerDNSは58,000qpsであり、BINDよりも18%ほどPowerDNSが高速なことがわかったという。
PowerDNSの特徴は次のとおり。
1. ウェブインタフェースから手軽に管理できる
PowerDNSでは、Poweradminなどの管理インタフェースからDNSの管理を行うことが可能。ゾーン追加、編集、削除や、DNSレコードの追加、編集、削除などを行うことができ、DNSの管理がより便利になる。ゾーン管理の知識があまりない人でも管理することができ、今まで特定のシステム管理者しかできなかったゾーン管理をさまざまな人ができるようになるため、管理者の負担を分散することになる。
2. 不正なキャッシュ書き換えの心配がない
セキュリティ面でも、PowerDNSでは不正なキャッシュ書き換えの心配がない。DNSサーバは、いくつかのDNSがそれぞれ役割を持って、サービスを提供している。その中で、キャッシュDNSは、DNSの名前解決のスピードを向上するために、一時的にDNS情報を覚えておく役割がある。このキャッシュDNSが、不正にキャッシュを書き換えられた場合、全く別のサイトに接続することになる。PowerDNSは、キャッシュを不正に書き換える攻撃に対して、セキュリティ向上が実現できる。
3. DNSSECの導入が容易
リソースレコードの安全性を高めるためには、DNSSECを利用する必要がある。PowerDNSとPoweradminでは、関連する処理が自動的に行われるため、より手軽に導入することができる。そのため、PowerDNSはDNSSECの普及が進んでいるオランダ等の国では、標準的に使われている。