2020年には市場全体に対して48.5%がx86仮想化環境向けに増加
発表では、国内エンタープライズストレージシステム市場(外付型と内蔵型の合計)の2015年~2020年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)の予測が0.5%であるのに対し、国内x86仮想化環境向けエンタープライズストレージシステム市場の2015年~2020年のCAGRは7.4%と高い成長になると予測している。
その結果、国内エンタープライズストレージシステム市場におけるx86仮想化環境向けエンタープライズストレージシステムの支出額の比率は、2020年には48.5%に上昇すると予測している。
仮想化環境におけるエンタープライズストレージシステムには、性能や容量のニーズに加え、データ保護や可用性といった機能面でのニーズが高まる。さらに、仮想化環境の大規模化や複雑化によって、ストレージ運用管理の効率化ニーズも顕在化する。
拡張性、データ保護などの機能、運用管理の効率化へのニーズが高まる
今後のx86仮想化環境向けエンタープライズストレージシステム市場においては、こうしたニーズに対応できるエンタープライズストレージシステムが成長の中心となる。オールフラッシュアレイやハイブリッドアレイといったフラッシュストレージ、仮想化環境に特化したエンタープライズストレージシステムの導入が進むほか、コンバージドシステムやハイパーコンバージドシステムで仮想化環境向けITインフラストラクチャ全般の刷新を行うケースが増加するとIDCはみている。
IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ マーケットアナリストの宝出幸久氏は、「仮想化の進展に伴いx86仮想化環境向けエンタープライズストレージシステムは成長を継続している。x86仮想化環境向けエンタープライズストレージシステムは、今後の国内エンタープライズストレージシステム市場における主戦場であり、ITサプライヤーが注力すべきセグメントである。ITサプライヤーは、仮想化環境にフォーカスした機能強化の継続によって差別化を図り、仮想化環境における運用管理課題の解決を実現するソリューションを提供すべきである」と述べている。
今回の発表は、IDCが発行したレポート「国内x86仮想化環境向けエンタープライズストレージシステム市場予測、2016年~2020年」にその詳細が報告されています。このレポートでは、国内x86仮想化環境向けエンタープライズストレージシステム市場における支出額と出荷容量について、2016年~2020年の予測を提供している。市場規模算出の対象は、商用またはオープンソースのハイパーバイザーを使用し、x86サーバー上に構築したサーバー仮想化、またはVDI環境で利用されるエンタープライズストレージシステム(外付型、内蔵型)になる。