SAS Institute Japanの堀田社長は現在、日本・韓国の地域統括のバイスプレジデントでもある。2016年度のSASの売上は32億ドルと過去最高であったが、その成長の牽引力として日本が大きく貢献したことを強調した。
とりわけ金融分野での不正検知・防止のSAS Fraud Solutionなどのアンチマネーロンダリング、製造業分野でのアナリティクスによる精算品質の向上、IoTのソリューションなどが大きく寄与し、日本は米国、UKに続く第三位のマーケットに躍進したという。
2017年のコア・ソリューションとしては「マーケティング」「セキュリティ」「リスクマネジメント」「アナリティクス・データマネジメント」の4分野をAIによって進化させるというものだ。特に昨年発表したアナリティクスプラットフォーム「SAS Viya」に関しては、イノベーション領域の主力事業としてさらに進めるという。
具体的には、SAS Viyaによる店舗やWebでの顧客接点のコグニティブ活用や、リスク分野での内部不正防止、アンチマネーロンダリングのAI化などをあげる。
その具体的なケースとして、現在、SASが最近取り組んでいるIoT☓コグニティブの取組みのデモが紹介された。店舗や工場、オフィスの中での人の移動をセンサーで検知し、リアルタイムに状況を可視化し異常をアラートするというものだ。またでは、特定メンバー間のメールの状況、添付ファイルの容量、ネガティブな内容のメールなど様々な要件を解析し、機械学習によって不正や疑わしい行動を検知し報告する「SAS Visual Investigator」も紹介した。
またパートナーやユーザーコミュニティについても拡充していくと述べる。
「従来のSIだけでなく上流のコンサルティングファームへのパートナーも拡張していき、販売も間接形式だけでなくパートナーのソリューションに乗せて提供していくといったエコシステムを作っていきたい。」(堀田社長)
最後に堀田社長は今年の取組みとして、アナリティクス教育の支援のための子供向けデータサイエンス講座を昨年に引き続き開催することや、「貧困・健康・医療・人権・教育」などの社会課題解決のための取組みをグローバルでおこなう「Data for Good」に力を入れていくと語った。