日本ヒューレット・パッカードは、ハイブリッドクラウドへの移行ニーズが高まる流れを受け、従来ハードウェアとソフトウェアを一体で提供していたフォールトトレラントサーバー「HPE Integrity NonStop」に加え、オペレーティングシステムやデータベースシステム、運用管理システムなどをソフトウェア製品とした「HPE Virtualized NonStop」を提供し、仮想サーバー環境で利用できるようにするという。
「HPE Integrity NonStop」サーバー最大の特徴は、独自の「プロセスペア技術」によって、障害時でもシステムを再起動することなく処理を継続可能なことにある。「HPE Virtualized NonStop」は、仮想サーバー環境においてもこのプロセスペア技術を提供、テイクオーバー機能により瞬時にバックアッププロセスが処理を引き継ぐため、サービスを停止させることがないという。
「HPE Virtualized NonStop」は、無停止システムの中核となる「HPE NonStop OS」および無停止対応のミドルウェアが仮想マシン上で稼働する。実行プロセスの冗長化、トランザクションの一貫性保持など、「HPE Integrity NonStop」サーバーのメリットをそのまま継承、“無停止ハイブリッドクラウド環境”を実現するという。
「HPE Virtualized NonStop」はLinux KVM上で動作し、標準的なクラウド管理ツールOpenStackを利用し、迅速な起動やリソース配備、構成変更を含むさまざまな自動化が可能だ。NonStop Open System Management(OSM)がOpenStackと連動してそれを実現する。今後、VMwareやHyper-Vにも順次対応予定。
「HPE Virtualized NonStop」は、無停止型データベース「HPE NonStop SQL/MX」を仮想化環境で稼働させることができる。ミッションクリティカルな要求に応える可用性に加え、仮想化環境ならではの俊敏性・柔軟性、クラウドでの運用を容易にするマルチテナント機能を提供、“無停止データベースクラウド基盤”を指向するソリューションだとしている。
■「HPE Virtualized NonStop」の主な特徴
・プロセスペア技術
異なる仮想CPU上でプライマリとバックアップの2つのプロセスを実行、プライマリプロセスに障害が発生した場合、瞬時にバックアッププロセスに処理を引継ぐ。クラスタシステムにおけるフェイルオーバー(スタンバイ仮想CPUでのアプリケーション再起動)とは異なり、「HPE Virtualized NonStop」では無停止でのテイクオーバー(処理の継続)が 可能。
・アプリケーション実行の最適化制御を行う「HPE NonStop TS/MP」
TPモニターとして「HPE NonStop TS/MP」がOLTPアプリケーションの実行管理と制御を担う。これにより超並列アーキテクチャによって拡張されたシステムリソースを“シングルシステム・イメージ”で利用可能となり、「HPE NonStop TS/MP」のロードバランシング機能や並列処理スケジューリングによりリソース内での複数アプリケーション実行の 最適化を図り、仮想化環境でのサービスレベルでの無停止運用を実現する。
・リニアなスケールアウトを実現する「HPE NonStop SQL/MX」
ミッションクリティカルなOLTPプリケーションを無停止で提供するための超並列リレーショナルデータベース管理システムである「HPE NonStop SQL/MX」を提供。疎結合型の特長を活かし、リソースの追加によりリニアな性能拡張を実現。また、高可用性を謳うメジャーな商用データベースでさえ、障害が発生した際はデータベースのサービスが停止してしまうのに対して、「HPE NonStop SQL/MX」では無停止での処理継続を実現する。