2016年の国内UC&C市場は前年比成長率2.9%増の2,502億円9,400万円
2016年の国内UC&C市場規模は、前年比2.9%増の2,502億円9,400万円になった。2016年は、2015年までの企業の音声インフラリプレイス需要が一巡したことで、IPテレフォニー市場がマイナス成長となり成長率が鈍化したが、コラボレーティブアプリケーション市場、IPコンファレンスシステム市場でのクラウド成長によって、同市場は前年比プラス成長を維持した。一方、IPコンタクトセンターシステム市場は、大型案件の検討長期化によって成長が鈍化した。
2017年の国内UC&C市場は、2016年の市場拡大要因であった、コラボレーティブアプリケーション/IPコンファレンスシステム市場の高成長の反動を予測しており、前年比成長率2.6%増と、2016年並みの成長を予測している。
2017年以降は東京五輪などへ向けた投資やクラウドシフトが進む
IDCでは、2017年以降の同市場はラグビーワールドカップ東京大会や東京オリンピック/パラリンピックに向けた音声基盤再構築やインバウンド顧客サポートへの投資、およびWeb会議などのコラボレーティブアプリケーションのクラウドシフト(SaaS型サービス)が一層進むことで、2016年~2021年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は2.4%で成長し、2021年には2,818億1,500万円の規模になると予測している。
2019年~2020年の上記国内イベント向け先行投資として、2018年~2019年の同市場は3%以上の成長を予測しているが、2020年~2021年は、オリンピック開催後に一時利用クラウドサービスの解約や先行投資の反動によって成長率が急速に鈍化すると予測している。
IDC Japan グループディレクターの眞鍋敬氏は「ベンダー/システムインテグレーター/通信事業者を含むITサプライヤーは、UC&C機能のクラウド提供をパートナーと伴にいっそう進めること、および東京オリンピック/パラリンピックに向けた「UC&C+コグニティブ/AI」のソリューションを検討するべきである」と分析している。
今回の発表は、IDCが発行したレポート「国内ユニファイドコミュニケーション/コラボレーション市場予測、 2017年~2021年」にその詳細が報告されている。