従来、「IBM Cloud」サービスでは、アカウント開設後、30日間の無償トライアルを提供していたが、「IBM Cloud」の豊富なサービスを評価するには、より長い試用期間が必要とされていた。また、使用量を気にしたり、クレジットカード情報の登録の手間を省くため、新たに「IBM Cloudライト・アカウント」を提供するという。
「IBM Cloudライト・アカウント」の主な特徴は次のとおり。
- 256MBのCloud Foundryメモリ
- 主要サービスをライト・プランで継続使用可能
- 全カタログの閲覧可能
- 組織を1つ、地域を1つ
- ライト・プラン毎にインスタンスは1つ
「IBM Cloudライト・アカウント」では、256MBのCloud Foundryメモリ、6つのIBM Watson APIを含む25種類のIBM CloudサービスやAPI、サービスやAPIをまとめた全カタログの閲覧、1つのシステム環境(インスタンス)などを利用できる。なお、「IBM Cloudライト・アカウント」のユーザーは、必要な時点でCloud Liteプランから有料プランへ移行し、IBMクラウドが提供する高機能な環境をすべて利用することができる。
新しいアカウント・タイプでは、IBM Watson API、データベースおよびデータ分析、IoTや既存システムとの連携など、企業利用を想定したサービスとAPIを利用できる。新アカウント・タイプで利用できる25種類のAPIとサービスは次のとおり。
■IBM Watson API
- Conversation:会話の組み立て、やりとりの自動化
- Discovery:適切な意思決定を行うためのパターン、傾向、実行可能な洞察を識別
- Language Translator:多言語翻訳
- Natural Language Understanding:概念、エンティティー、キーワード、感情、関係、意味役割などのメタデータを抽出
- Personality Insights:書かれた文章をもとに性格分析
- Tone Analyzer:書かれた文章をもとに感情を分析(日本語未対応)
■データ&分析
- Apache Spark:ビッグデータ基盤分析
- Cloudant NoSQL DB:NoSQLデータベース
- Data Science Experience:データサイエンティストとエンジニアのためのチーム分析環境
- Streaming Analytics:リアルタイム・データ・ソースからのデータの取り込み、分析、モニター、相関分析を行うデータ分析プラットフォーム
■その他
- Activity Tracker:クラウド上のアクティビティーのトラッキング・ツール
- Availability Monitoring:アプリの状態監視ツール
- Continuous Delivery:DevOpsツールチェーンの構築・運用支援ツール
- Log Analysis:ログ管理と分析
- Internet of Things Platform:IoTプラットフォーム・アプリ
- Kubernetes Cluster:コンテナ管理ツール
- Container Registry:コンテナのリポジトリ
- Object Storage:非構造化データ向けのクラウド・ストレージ
- API Connect:API作成、公開、管理
- App Connect:アプリケーション連携
- Push Notifications:モバイル・プッシュ通知
- Internet of Things Platform Starter: Node-REDを使用してIoT Platformアプリを作成
- Node.js Cloudant DB Web Starter:Cloudant NoSQL DBとSDK for Node.jsランタイムを併用
- Python Flask:Pythonの軽量フレームワーク
- Ruby Sinatra:Sinatraフレームワークを使用してRuby Webアプリを開発
日本IBMは、新しいアカウント・タイプの導入を通じて、IBM Watson APIやデータベース、データ分析基盤を統合して提供するIBM Cloudをさらに使いやすくしたことにより、既存のシステムでAIを試行したい企業や、AIを活用して次世代アプリの開発を目指すデベロッパーを支援するとしている。